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2022-01-31 DX
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ALL NSSOLの総力を、変革の総力に

~デジタル製造業ビジネスコンセプト「PLANETARY/プラネタリー」ブランド立ち上げストーリー~

「ALL NSSOL」―2021年8月に発表されたデジタル製造業ビジネスコンセプトのブランドである「PLANETARY/プラネタリー」の推進メンバーは、繰り返しこの言葉を強調します。そこには、製造業の進化を実現するため、誰もが「NSSOLだからこそ実現できるDXの価値」を明確にしたいという想いが込められていました。

デジタル製造業ビジネスのコンセプトブランド“PLANETARY”

ALL NSSOLで実現するデジタル製造業ビジネスのコンセプトブランド。これまでNSSOLが提供してきたさまざまなソリューションやサービスが集約され「意志(Will)のDXからDXの文化(Culture)へ」を実現していく4つのステージに整理されている。データやデジタルの力でビジネスの変革・統合、そして企業の壁を超えた進化を目指す「デジタル製造業」に関する議論の中で、「NSSOLが目指すDXの本質は、製造業に留まらずあらゆる業界に共通する」という気づきとともに誕生した。

  • NSSOLが目指すDXについての詳細はこちら

「これがNSSOLのDXビジネスだ」と言えるブランドを

――MDXCができたことで、産業SOLの知見を全社展開するチャンスが広がった

小林:2020年秋頃、産業SOLでデモを実施していた汎用的に使えるAI・データ分析ソリューションの今後の展開について議論するなかで、こういった特定のソリューション単体の宣伝ではなく「これがNSSOLのDXビジネスだ」と語れるような全社横断のDXコンセプトの必要性が話されました。この議論で全社のDXブランドの必要性を認識できたことがPLANETARY誕生につながりました。
その後2021年4月にMDXCが発足し、デジタル製造業について説明する上で、やはりNSSOLの製造業におけるDXによる価値提供のストーリーを伝えられるブランドが欠かせないと、PLANETARYのプロジェクトが本格始動しました。

小林 隆司
ドメインアーキテクトグループのリーダー。PLANETARYブランディング/プロモーション強化のタスクフォースを立ち上げた。2021年3月まで産業SOLに所属。

守本:私自身も、以前はNSSOLのDXビジネスの全体像を一言で表現する難しさを感じていました。「データの利活用を…」「AIや機械学習で…」とソリューション例を交えたり、「デジタルで業務変革を実現するもの」「SoI・SoEで事業を進化させるもの」と概念化したりすることで、DXの“枝葉”の部分は説明できます。しかし「NSSOLが、そのDXにどう貢献するのか」という点については、体系立てて説明できていなかったと感じます。

三ツ橋:NSSOLのDXにおける価値観を発信するキーワードとして、既に「ファーストDXパートナー」「X Integrator」があります。ですが、DXをもう一段階具体化した、複数のソリューションを束ねるビジネスコンセプトは、PLANETARY以前には存在していませんでしたよね。MDXCに異動し、PLANETARYブランドの立ち上げの話を聞いた時は、新鮮な印象を受けました。

小林:産業SOLでは、一度アカウントやプロジェクトに入ると、お客さまとNSSOL、その他プロジェクト関係者が一体となってゴールを目指す―それがホームチームになります。しかし、そのホームチームで培った知見を持ち帰って、NSSOL内で水平展開できるよう体系的に整理することには、なかなか時間も労力も割けずにいました。
共通部門としてのMDXCの役割の一つは、こうした水平展開の取り組みにしっかりとリソースをかけ、ナレッジの共有知化を推進していくことだと考えています。

議論の先に見えた根底に流れる「NSSOLマインド」

――産業と鉄鋼。ビジネスが違っても継ぎはぎにはならなかった

小林:PLANETARYのストーリーをつくり込む過程において、当初は私自身が「産業SOLの視点」で考えていたため、一般製造業に広くアプローチできるようなコンセプトを検討していました。そこに日本製鉄での業務経験を持つ三ツ橋さんや笠井さんが検討メンバーに加わることで、ストーリーに変化が生まれました。

三ツ橋:各BUには、単一ソリューションによるビジネスや、システム構築後の運用は他のベンダーに任せるビジネスなど、顧客企業のシステム全体像のうち特定の部分や課題を点として捉えて、一定の期間のみ伴走するケースが多くあります。ところが鉄鋼SOLは、日本製鉄のシステム全体を面で捉えて対応しており、システムライフサイクルを考える際の時間軸も20〜30年かけて保守・運用するという長大なものです。そこに視点やビジネスモデルの特殊さがあると思っています。

笠井:鉄鋼SOLでは4年間、日本製鉄の人事労政部に出向し、業務統合と大規模システム開発の仕事をしていました。業務を学ぶため4カ月にわたり八幡製鉄所の現場で実務を行い、その経験をもとにシステム構成全体像を描いたり、統合業務フローをつくったりしましたが、その活動こそが「お客さまと共に考え、共に進化する」経験そのものでした。「一昼夜でできるものではないお客さまとの二人三脚の仕事」を身を持って経験したからこそ、製鉄業をはじめ製造業での深い業務知見を持つNSSOLなら二人三脚ができると確信できましたし、PLANETARYのコンセプトには本当にわくわくしました。

笠井 康平
ドメインアーキテクトグループでPLANETARYの企画、実案件のコンサルティングを担当。産業SOLと兼務。2021年7月まで鉄鋼SOL。日本製鉄の人事労政部への出向も経験。

小林:PLANETARYのコンセプト策定にあたっては、視点もビジネスモデルも異なるBUのメンバーがそれぞれの考えを共有し、違うところと共通するところを丁寧に議論できました。その議論があったからこそ継ぎはぎのストーリーではなく、全社展開に必要となる要素を特定することができたと考えています。

笠井:私も途中からこの検討会に参加しましたが、話されていた内容に違和感がなく驚きました。むしろそこで話されているお客さまへの向き合い方に強く共感しました。PLANETARYはそれぞれが自身の持ち場でこれまで培ってきた「NSSOLマインド」とも言えるような想いが上手く引き出されたものになったと思っています。

三ツ橋:製造業を取り巻く社会課題への認識やお客さまにどういう価値提供をしたいかといったそもそもの価値観が、我々の根底で共通していると気づきました。日本の製造業にとって大事なことはなんだろうか、NSSOLはそこに、どんな価値を提供していきたいのだろうか―と。こうした価値観にまつわる議論を重ねたからこそ、PLANETARYのキーワード「WillからCultureへ」が生まれてきたと思います。

PLANETARYは顧客企業のデジタル製造業ビジネスの実現までの道のりを4つのステージに分けており、それぞれの段階を上がっていくための支援するソリューションを整備している。

小林:「WillからCultureへ」のキーワードは、早い段階から出てきました。「DXを単発で行うのではなく、トランスフォーメーションを体質にしていこう」というねらいを込めたキーワードです。

守本:森田社長にPLANETARYの案をお話しした際に「日本製鉄に限らず多くの企業がDX戦略を掲げたけれど、それを事業環境が変化する中でも持続可能な、サステナブルなものにしていくことが重要」という想いを語ってくださいました。私たちメンバーも「あ、そうか」と、すっと腑に落ちたことを覚えています。

三ツ橋:やはり、明文化されていなくても、根底には同じような理解があったのだと思います。

「DXならNSSOLに相談しよう」PLANETARYをその糸口にしたい

――製造業のファーストDXパートナーに選ばれる企業に

笠井:NSSOLの各BUのメンバーは高い専門性を持っているからこそ、他のBUならではの知見を学んだり、ソリューションを組み合わせたりすることにもっと挑戦していいと思います。これまでは、あるソリューションをそのまま横展開することはあったものの、例えば「あるBUのソリューションAと、他BUのソリューションBを組み合わせて“新しいソリューションC”をつくる」という挑戦は、まだまだ数が少ない印象があります。

小林:確かに、現状よく聞くBU横断の例は「業務理解に強いBU×技術知見を蓄えているBU」という組み合わせで、異なる業界知見を組み合わせた挑戦は、なかなか耳にする機会が少ないです。

守本:お客さまのニーズ自体が、これまではドメインカット中心で「NSSOLの得意なドメイン知識で、この課題解決をやりたいです」というご相談が多かったですからね。しかし、これからDXやプラットフォームビジネスを推進する上では、ドメインカットではなく、ドメインを横断してユーザー体験をつくる価値提供が求められますよね。

守本 知之
DX企画チーム リーダー。MDXC立ち上げから、運営面の取りまとめを担当し、また他BUの受注支援・実行支援にも携わる。2021年3月まで産業SOLに所属。

小林:お客さま目線で見ると、これまで具体的な相談を中心にしていた会社に対して、まだ具体化されていない抽象度の高い相談はしづらいものですよね。

三ツ橋:私の知る範囲でも、まだ具体化されていない抽象度の高い相談が他社に行き、知らぬ間にDX案件が進んでいたこともしばしばありました。ALL NSSOLのポテンシャルを発揮していくためには、他BUとの連携で広がる可能性を誰もが理解し、NSSOLはあんなことも、こんなこともできると能動的にアピールしていく必要があります。

2021年8月に実施した事業戦略説明会では、顧客企業のデジタル製造業実現を推進した事例を9つに分類して紹介した。
(参考:2021年8月実施「デジタル製造業 事業戦略説明会」

小林:NSSOLはシステム構築のパートナーだと認識しているお客さまに、いかに抽象度が高い相談―例えば「経営層からDXやるべしと言われているんですよ」といった、まずは話だけでも聞いてほしいという相談をお客さまからしていただけるかが重要です。その先はDXのテーマ創出やAngraecumによる事業企画などを提案できる。ですから最初の相談の糸口になる存在として、PLANETARYをアピールしていきたいと考えています。

日本の製造業とともに 世界と戦えるソリューションを

守本:今でもBU間連携につながる連絡会はやっているものの、それでもまだBU間連携に課題意識を持つ人も多いです。人力ではなく仕組み、組織でBU連携をできるようにしたい。ALL NSSOLを目指す上で、まず私たちNSSOL自身が「WillからCultureへ」を実現していきたいです。

三ツ橋:理想は、事業部横断よりも、事業部やNSSOL内の壁を意識しないで価値提供できるようにしたい。巨大な製造業を支えるNSSOLは、「製造業のファーストDXパートナーだ」と高らかに言える企業を目指せると思っています。

三ツ橋 正晃
DX企画チームで企画全般を手掛ける。また鉄鋼SOLとIoXを兼務する。2021年3月まで日本製鉄デジタル改革推進部と情報システム部に出向。

笠井:「製造業のDXと言えばNSSOLだ」と言われたいですね。

小林:NSSOLのデジタル製造業のCoEとして、営業メンバーが提案に持ちこめるように各事業部の具体的なサービスやソリューションをPLANETARYに結合していくことが必要です。また過去の実績をPLANETARYコンセプトの文脈に沿って集約し、商品やソリューションをALL NSSOLブランドとして展開する活動にも注力したいと考えています。競合他社からPLANETARYがベンチマークにされ、ある意味“脅威”としてリサーチ対象になるようにしていきたいですね。

笠井:実は、日本製鉄に出向していた時、上司が「ALL 日本製鉄グループで面白いソリューションつくれないのかな」と常々話していました。製鉄、エンジニアリング、化学・素材…と多種多様な事業領域があり、さまざまなデータが手元にある環境です。その総力を結集すれば、世界と戦えるソリューションが生まれるかもしれないという夢も持っています。その起点にPLANETARYがなれたらという野望もあります。

三ツ橋:またNSSOLの多様性を生かす上で、BU横断のコーディネートにも取り組みたいですね。ALL NSSOLの価値提供を具現化するためには、事業部の知見を共有することが第一歩。さらに「共通の価値観」「共通のコンセプト」を言語化することが欠かせないと思います。今後、PLANETARYのコンセプトを社内にも浸透させるブランディングを進めていこうと思っています。PLANETARYを通じてNSSOLのDXビジネスを共通言語化していく取り組みを進め、ALL NSSOLが実現する価値提供を語れるようになるはじめの一歩としたいです。

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