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2021-04-02 サステナビリティ イベント
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「迷うな。手を動かせ。さすれば与えられん。」モノづくりの楽しさを追求した大学生向けK3Tunnelインターンシップ

NSSOLが提供するプログラミング学習ツールK3Tunnel(ケイサントンネル)は子どもからおとなまで幅広い層にコンテンツを提供しています。このコンテンツの開発を目的とした大学生向けのインターンシップが毎年開催されています。K3Tunnelインターンシップではモノづくりの楽しさの追求とチーム開発での学びを信条としています。今年はコロナ禍の中で参加者全員がオンライン参加で挑みました。そんなK3Tunnelインターンシップの魅力を紹介します。

K3Tunnelサイト

真剣につくることに取り組めばそれだけで「楽しい」

2021年2月。今年もK3Tunnelインターンシップが開催されました。期間は4日間で6名の大学生が参加してくれました。このインターンシップは、K3Tunnelサイトで公開する前提でコンテンツ開発を体験してみようというもので、プログラミングは授業で経験した程度のレベルから参加可能としています。

一般的にシステムインテグレータが開催する大学生向けインターンシップは、与えられたテーマに沿って学生が要件定義や設計フェーズを体験し社員のレビューを受けるというスタイルをとっています。社員のレビューを通してプロとしての厳しさを体験するのもインターンシップの醍醐味でしょう。

これに対してK3Tunnelインターンシップは、学生と社員がチームを組んで協力しながらひとつのコンテンツをつくりあげていくことに主眼を置いています。社員がチームに入ることで「手を動かす」ためのサポートをタイムリーにしていくことができますが、単純に指示にしたがってコードを書くだけでは楽しくありません。つくりたい機能を実現するにはどこを修正すればいいのか、なぜその作業が必要なのか。「こうすればこうなる」ことを把握できるよう進めていきます。

こうした会話の中から社員の仕事へのスタンスやものの考え方を垣間見ることができ、それが学生にとって大きな刺激になるようです。

そして、K3Tunnelインターンシップでなにより大切にしているのは和やかな雰囲気づくりです。和やかな雰囲気の中でのびのびと真剣にモノづくりに取り組めば、より「つくることは楽しい」を実感できるはずです。

こうしてインターンシップ最終日のレビュー会に向けて「動くモノ」をつくることをゴールとしています。4日間という短期間で「動くモノ」をつくりあげることは、簡単ではありません。しかし、真剣に取り組んだその先に「つくることの楽しさ」が待っているのです。

タイトルにある「迷うな。手を動かせ。さすれば与えられん。」はこうした想いが込められたK3Tunnelインターンシップの行動指針です。

チーム作業の難しさを知ることで楽しさも知る

K3Tunnelインターンシップのもうひとつの特徴が開発スタイルです。例えば、進捗管理には「カンバン」、実装では「ペアプログラミング」、「テスト駆動開発」、ソース管理にはGitを使います。アジャイル開発でも実際に使われる手法を用いてチーム開発を進めていきます。

そこに今年はもうひとつ新しさを加えました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響からオフィスでの実開催ができなかったため、学生も社員も全員がオンラインで参加する完全オンラインで実施したことです。NSSOLはいくつかの大学に講座をもっていますが、今年度はすべての講義をオンラインで行ったことから学生がオンラインでのコミュニケーションに慣れていることは肌で感じていました。NSSOLも社内外との会議、研修、セミナーなど日々オンラインイベントをこなしていますので、完全オンラインでも問題はないだろうと考えました。ただ不安があったのがチーム開発手法として取り入れている「ペアプログラミング」です。

ペアプログラミングとは、コーディングを担当する「ドライバー」と、指示を担当する「ナビゲーター」に分かれて開発を進めていく開発手法のことです。ペアプログラミングはミスをなくしソフトウエアの品質を高めること、レビュー時間が短縮でき効率的に開発ができること、お互いの技量を高めあえること、などのメリットがあります。一方でお互いに相手の話を聞き、考えを共有しながら進めてかなければならない作業なので相手との関係性が大切になってきます。K3Tunnelインターンシップではチームメンバー全員が初対面となるため、オンライン上でペアを組んだ相手とうまく関係が築けるかが心配されました。

実際にインターンシップが始まってみると、ディスカッションの場面ではとても活発に意見交換ができたのですが、ペアプログラミングになるとスムーズには進みませんでした。例えばドライバーがナビゲーターに何も伝えないまま突然画面を動かしてしまい混乱を生じさせたり、ナビゲーターも画面を直接指さして説明すれば簡単にできる指示ができず、自分の考えを伝えるのに時間がかかったり、画面越しで発生しそうなトラブルが散見されました。

しかし学生が慣れるまでにそれほど時間はかかりませんでした。オンライン会議ソフトの共有画面への書き込み機能を使いこなすなどコミュニケーションのコツを掴むと、その後は作業がはかどるようになりました。多少の壁はあったものの学生たちはペアプログラミングを通じてチームでの開発作業の面白さや大切さを学ぶことができたようでした。

オンライン開発において初対面でありながら短期間でここまでチームビルディングができるようになったことはK3Tunnelインターンシップの大きな収穫でした。

DX時代の流れをつかんだインターンシップのテーマ

では、学生たちはどのような課題に取り組んだのでしょう。

現在、各企業ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に伴い、DXを推進する人材育成が課題になっています。事業の立ち上げや立ち上げ後の仮説検証を素早く回してくために、もともとITエンジニアではなかった社員がITエンジニア領域の知識やスキルを身につけていくことが求められるようになってきています。

今回のインターンシップではそうした時代背景を取り込み、企業のITエンジニアではない社員がITエンジニア領域に踏み込むための第一歩となるようなセミナーをNSSOLが開催するという想定で、「システムを開発する側の気持ちを想像できるコンテンツ」をつくることに取り組みました。

具体的なテーマがこちらです。

このテーマがどのようなコンテンツになるのでしょう。学生がアイディアを出し自分たちで開発したものをNSSOLが最後の仕上げをし、K3TunnelのMissionのひとつとしてK3Tunnelサイトに掲載する予定です。お楽しみにお待ちください。

(参考)過去のK3Tunnelインターンシップで開発したMissionはこちらをご覧ください。

K3Tunnelインターンシップは将来を考えるきっかけに

私たちは、学生たちがK3Tunnelインターンシップでモノづくりの楽しさを体験することで将来「創る人」になってくれたなら、そして縁あってNSSOLの一員となってくれたならそれはとても喜ばしいことだと考えています。しかし逆にSE(システムエンジニア)は自分には向いていないと気づき他に得意な分野を見つけるきっかけにしてもらえたならそれも「よし」です。そしていつかその得意な分野でNSSOLと関わりを持ってくれればそれこそ喜ばしいことだと思っています。

最後にインターンシップに参加してくれた学生たちの感想をご紹介します。みなさん、どのようなことを感じたのでしょうか。

  • エラーコードが出ても支えてくれる人がいる安心感がありました。メンターの社員の方々のサポートが手厚く、表などのデータが正常に出力されたときは感動しました。一方で全体像を把握することが大変で途中で何をやっているのかわからなくなったり、予想よりもコードの規模が大きくて面食らってしまったりしました。プログラミングの経験がなくても最後まで走り切ることができたのはメンターの社員の方々とチームメンバーのおかげです。ありがとうございました。
  • 全日程を通して楽しみながらも自己の成長を感じました。GitやVS Codeなど各種ツールの知識は学んでいましたが、Gitで連携してチーム毎の進歩を積み重ねていった過程や、issueを立て進捗を確認しつつ作業を進めていった部分は個人では味わうことの出来ないもので非常によい経験ができました。新鮮な体験ばかりで今までにはないほど充実した1週間となりました。一点今回のインターンシップに関わった方々とお会いできなかったことが惜しまれる点です。
  • 自分の実力や時間が不足していたため、今回はすでに存在していたコードをコピー・アンド・ペーストしてきて一部を修正して実装するという流れで開発を行いましたが自分でいちからコードを書いてシステムを実装できたら楽しいだろうなと思いました。ペアプログラミングが想像よりも難しく特に画面越しに指示を出すのが難しくて社員の方に頼りがちになってしまいました。
  • モノづくりの楽しさを味わうことができた事がとても良かった。他のインターンシップでは一番楽しい実装の部分をあまり体験できていなかったため、そこを重点的に体験できたことが何よりも良かった。直接現場に近い環境で開発を体験することでしか学ぶことのできないことをたくさん見ることができ、今後に生かすことのできる体験ができた貴重な経験でした。特に「チームで認識齟齬を防ぐ」という点は、今後も役立てていきたいと思いました。
  • トライアンドエラーを繰り返し少しずつ理解しながら作業をしていく過程が楽しかった。一つのタスクに時間をかけた分タスクが完了したときの達成感が大きかった。チームで開発をすることのやりがいや楽しさを感じることができた。十数人の社員の方々が最後のレビュー会に来てくださり少し緊張したが、協力して作ったものを発表することができ、自分たちにはなかった視点の意見をいただけたことが新鮮だった。和やかな雰囲気でインターンシップが進んだことが良い意味で意外だった。定期的に休憩時間を設けていただいたため、リフレッシュしながら、集中して取り組めた。
  • 各グループが実装しているものが繋がって実際のK3Tunnelの画面で動いたときに喜びがありました。自分では気づけなかったことを同じグループの方が気づいたときに、ペアプログラミングの良さを気づく一方で、自分が考えていることを画面上で伝えることのもどかしさを感じました。個人での開発が多かった私にとってチームでの開発は新鮮でしたが、うまくチームの皆さんに馴染むことができ自分の経験値が増えました。個人的に気になっていたGitを使って開発を行うとは思っていなかったので、Gitについても少し知ることができて良かったです。

素敵な感想をありがとうございました。
これからのみなさんの未来に幸多からんことを祈念します。

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