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2016-01-27 イベント
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学生たちが競い合う2つのハッカソンイベントに協賛

そのユニークな発案と出来栄えに 驚きと期待

NSSOLは、学生たちの自由な発想をもとに創り出されるアプリケーションやソフトウエアを、「モノづくりの力」として総合的に評価する「ハッカソン」を応援しています。
2015年は、国内最大規模の学生ハッカソン「JPHACKS」と、東京大学に在籍する女子学生を対象として開催された「Tea Time Hackathon」に協賛しました。2つのハッカソンイベントの協賛企業の一員として尽力した人事部の井上裕葉さんと、「Tea Time Hackathon」で学生たちに助言するメンターとして参加した、技術本部生産技術部SDCセンターの小林万理恵さんに、企画の概要や学生たちの印象などを伺いしました。

<左:井上さん、右:小林さん>

「JPHACKS」では、全国5地区で学生がアイディアと技術を競い合う

―― 2015年に協賛した「ハッカソン」の概要を教えてください。

井上 一つ目は「JPHACKS」です。東京大学 ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)が中心となって2014年に初回が開催されました。43校・120名の日頃からプログラミングを学ぶ学生が参加して、国内最大規模の学生参加型ハッカソンとして成功を収めました。2015年は規模を拡大し、公立はこだて未来大学、東北大学、東京大学、神戸市、熊本大学が共催し、全国5地区で合計239人・61チームが参加して開催されました(制作期間・予選/2015年11月28~29日、決勝プレゼン・表彰式/2015年12月12日)。

JPHACKS ファイナル参加者の集合写真

JPHACKSは、「ワールドチャレンジ部門(スタートアップビジネス分野)」「アカデミック部門(研究開発分野)」「シビックテック部門(社会貢献分野)」の3つの領域で参加を募り、領域ごとに5チームがファイナルに選出されました。ファイナルでは、各チームがプレゼンテーションを行い、部門ごとに最優秀賞が選考されました。その他、協賛企業各社が選ぶスポンサー賞が贈られました。

「Tea Time Hackathon」の開発風景。

二つ目は、東大に在籍する女子学生が企画した「Tea Time Hackathon」(開催期間/2015年12月5~6日)です。こちらは、専攻を問わずITに興味がある東大女子を対象に実際に自分たちのアイディアでアプリを作ってもらい、ITを身近に感じてもらうことを目的としたものでした。総勢34名の参加者が「学生生活を有意義に過ごすアプリ」をテーマに11チームに分かれて優秀賞を競いました。参加者のほとんどがプログラミング初心者のため、協賛企業の社員がメンターとして各チームに1名配置されました。当社からは2名のメンターがお手伝いしました。

―― 2つの「ハッカソン」に携わって、どのような印象を持ちましたか?

井上 「JPHACKS」は2日間という限られた期間で開発したとは思えない自由な発想の、しかも技術的にも完成度の高い作品が多かったです。世の中を変えたいという姿勢や意識を感じました。また、彼らはプレゼンテーションも大変インパクトがあり、こうした優秀な人材から新しいビジネスやイノベーションが生まれるのかと、わくわくして発表を見ていました。

小林 「Tea Time Hackathon」では、「(アンドロイドの)プログラミングは初めて」という方も多くいらっしゃいました。当日、私が付き添った3名の学生グループ(J班)もアンドロイドのプログラミングについてはほぼ初心者でしたが、3人とも吸収力が高く、私が最初に基本と応用を簡単にお伝えした後は、自主的に作業を進めていました。プログラミング、デザイン、プレゼンテーション、3人でうまく役割分担をしながら実質1日半程度でだいたいの形を作り上げたのは「さすがだな」と思いました。

小林さんがメンターをつとめたJ班

―― 小林さんのチームはどのようなアプリを開発したのですか?

小林 一言で言うと、食事に行った時の満腹度を登録しておいて、自分が食事をしたいと思った時に仮に自分がそれを食べた時にどれくらいお腹いっぱいになれるかがわかるアプリです。外食系のアプリって味やサービスに対する評価が多いと思いますが、確かに満腹度って大切な指標だなと。私もハッとさせられました。
このアイディアが認められて、J班はJBS社の企業賞を受賞することができました。

J班もJBS社より企業賞を受賞しました!

NSSOL賞は「社会貢献」という視点で

―― どちらのハッカソンも最優秀賞のほか、協賛企業ごとに優秀な作品に協賛企業賞を選考しますね。当社の授賞作品は、どのような作品だったのですか?

井上 「JPHACKS」のNSSOL賞は「盲導犬++」という作品です。現在、盲導犬を希望する人数と盲導犬の数に大きな差がありますが、そこに着目してドローンを活用した盲導犬代替システムを開発しました。飼い主の緊急時にはドローンが周囲の人に知らせに行ったり、ドローンの視界を家族や医師に伝えたり、盲導犬の能力を超えた機能も搭載しました。
当社はSIerとして社会に貢献する企業であり続けたいと思っています。そうした観点からこのチームはアイディアが優れていると思いました。また、ソースコードからも品質の高さが伺えたことが決め手となりました。「創造性」と「実装力」、このどちらもSI企業には欠かせない要素ですから。

「JPHACKS」でのNSSOL賞受賞チーム(右側2人)。当社からのプレゼンターである システム開発研究センター 下田さん(一番左)は、学生時代マイクロソフト社主催のイマジンカップで日本代表となった経歴を持っている。

小林「Tea Time Hackathon」のNSSOL賞は、「Class Chat」と名付けられたアプリです。この作品は、教育シーンにスポットを当てた作品で、簡単に表現すると、"わからない"を解決する授業内のチャットアプリです。授業中に、周囲は「うんうん」と頷いているから理解しているようだけど、自分はわかっていない。「わかりません」と手を挙げるのも恥ずかしいし・・・。そうした場面で、チャットを使って先生と生徒間で理解度や質問をリアルタイムでシェアしながら、クラス全体の理解度を全体的に押し上げるシステム。教育の質の向上に主眼を置いたアプリで、「大学向けに学事支援システムを提供している当社にふさわしい」という評価につながりました。

「Tea Time Hackathon」のNSSOL賞受賞チーム(右3人)

―― ちなみに、「Tea Time Hackathon」ではどのような作品が最優秀賞を受賞したのですか?

小林 スマートフォンの、夜間のムダな使用を制限することを目的としたアプリです。その仕組みが可愛く、スマートフォンを夜間に見続けていると、画面上に現れるキャラクターが嫌な表情をするのです。そして、夜間の使用時間が長かった翌朝には、そのキャラには目の下に"くま"が表れていて、それを見たユーザーが申し訳なく感じるような、良心の呵責に訴えかけるアイディアです。その仕組みとインターフェースが、とてもユニークだと感じました。

「Tea Time Hackathon」の最優秀賞チーム

―― 小林さんは今回メンターをつとめられましたが、参加されてどのように思われましたか。

小林 もし自分の学生の時代にこういうイベントがあれば、絶対参加したでしょうね。学生時代からプログラミングが好きでしたので、開発でがんばったと思います。
今回、学生のみなさんのアイディアは本当に素晴らしいと思いましたが、ほとんどのチームで開発時間が足りなかったのでは、と思います。私の部署では、開発プロジェクトの生産性を高めるために、全社的な立場から開発環境や開発ツールを提供しています。こうした大会で、みんなで使える開発環境を準備して開発を効率化できたらもっと完成度の高い作品が出てくるかもしれませんね。

―― 最後に、ハッカソンに協賛してみて、協賛する意義をどのように感じましたか?

井上 「JPHACKS」は自分の知恵と腕を試す場として、「Tea Time Hackathon」はITの入り口の場として、いずれもITに興味・関心のある学生が主役である活動です。この活動を支援することで、IT業界で活躍する人材が増えていけば、IT業界全体も盛り上がりますし、ひいては社会貢献につながると思っています。学生たちの「何かを成し遂げようという」という意識とパワーを、企業のサポートによって何かしらの社会貢献やイノベーションにつなげることが理想なのではないでしょうか。

―― ありがとうございました。

<参考;当イベントが日テレNews24で取り上げられました>
日テレNews24 "東大女子"結集 2日間で11アプリ開発"

人事部 井上 裕葉

「Tea Time Hackathon」でのプログラミング初心者の学生が真剣にアプリ開発に挑戦している姿がとても印象的でした。
ぜひこれからも楽しんでITに触れてほしいと思いますし、その結果、IT業界で活躍する人が増えていけば嬉しいですね。

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