TO THE FUTURE NSSOL STORIES TO THE FUTURE NSSOL STORIES

データ仮想化技術でデータ基盤をブラッシュアップし、データ輸送工数の大幅短縮を目指す

大成建設株式会社様

プロジェクト概要

背景

さまざまな部門のシステムやデータを連携し、より活用するために全社統一のデータ統合プラットフォームを構築したが、データパイプラインの構築に工数がかかっていた。

ソリューション

大成建設とNSSOLは論理データ管理プラットフォーム「Denodo」に「Azure Databricks」を組み合わせることで、社内外さまざまなデータを経営判断や業務効率化などに活用できるシステムを構築した。

成果

データ提供までにかかる工数を大幅に短縮。画像や動画といったこれまでは扱いにくかった非構造化データの活用も期待されている。

データパイプラインの構築が負担に

「地図に残る仕事。」というキャッチコピーを掲げ、1873年の創業以来、超高層ビルやスタジアム、ダムや橋といったさまざまな建築物やインフラを手がけてきた大成建設。日本を代表するスーパーゼネコンの1社であり、新国立競技場も同社によるもの。2020年から全社を挙げてDXに取り組み、2025年4月に経済産業省からDX銘柄に選定された。
業務プロセスの違いにより、個別最適化が進んだため、これまでは部門ごとにシステムを構え、データ活用を行っていた。しかし、よりデータ活用を推進すべく、全社統一の統合データプラットフォーム「Taisei-DaaS」を構築し、2022年の4月から運用を始めた。
2023年にはデータカタログサイトを作成し、経営陣・バックオフィス・ビジネス部門など多くの部門で社内に蓄積されたデータ資産の活用がより一層加速した。一方で、課題も生じていた。
Taisei-DaaSの開発プロジェクトに当初から携わっていた関口 拓希氏と辻 征氏は次のように振り返った。
「物理データ基盤でのデータパイプライン開発は、要件整理から実装、提供完了まで20日ほどかかっていました。我々は、データ利用者からの更なる要望に応えていくために、データ提供スピードを改善したいと思っていました。」
そこで、データ仮想化技術でデータの輸送を効率化する「Denodo」に着目。PoCをおこなった結果、工数が大幅に短縮されることが分かったため、RFP(提案依頼書)を作成、Denodoの開発実績を持つ複数のITベンダーに声をかけた。

今後を見据えた提案

日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)をパートナーとして選んだ理由を、関口氏は次のように説明する。
「まずは、我々の既存環境を理解しようとしてくださる姿勢に好感を持ちました。また、RFPの中ではスクラッチで開発したデータカタログサイトにメタデータを連携できるかどうかといった、具体的な実現方法の提案なども記していたのですが、そのような技術課題に対する回答が適切かつ、詳細であり、NSSOLはDenodoに限らずさまざまな領域で高い技術力を持っているなと感じました。」
NSSOLが行った提案の中核はDenodoの導入である。しかし、大成建設の今後の非構造化データ活用構想を見越して、キャッシュDBにAzure Databricksを利用する提案を加えている。Denodoは、RDB*1を利用したキャッシュDB*2を構築することが多いが、大成建設のように非構造データを大量に保有していて、将来的にもその数がさらに拡大することを考えると、Azure Databricksのようなプラットフォームとの組み合わせが、将来を見据えた際に最適であると考えたのだ。

*1 RDB:リレーショナルデータベース
*2 キャッシュDB:データを一時保存し、データ・アクセスの高速化、データソースへの負荷軽減等を担う

担当部門だけでなく全社でサポート

実際に開発がスタートしてからのNSSOLの対応についても、「キックオフ直後に製品アップデートがあり、当初の計画ではなかった最新バージョンでの導入をお願いしましたが、快く受け入れてくれました」と、辻氏は評価する。
「当初は、プロジェクトの進め方が各社で異なっていたこともあり、コミュニケーションがうまくいかないこともありましたが、改善に向けて柔軟に対応していただきました。結果として開発メンバーが一丸、ワンチームとしてまとまるプロジェクトになりました」と、宮川 寿也氏も言葉を続けた。
今回のプロジェクトでは、大成建設においてもNSSOLにおいてもチャレンジングな内容がいくつかあった。そこでNSSOLはDenodoを担当する部門だけでなく、全社をあげてサポートしていく体制で臨んだ。
NSSOLのこのような姿勢に対し、「課題が発生した際に、Denodoの技術メンバーのみならず、営業や関連する技術部門を含めて対応にあたってくださるのも好印象でした」と、今回のプロジェクト責任者である木村 彰宏氏は述べた。
プロジェクトは、予定どおり無事終了。Denodoを使った新システムが実装されたことで、データ提供までにかかる工数は大幅に短縮。「今回のプロジェクトを通じて、NSSOLにはさまざまな領域での専門家の存在や、実績があることが分かりました。そのため今後はDenodoに限らず色々と相談したいですし、サポートしてもらいたいと考えています」と、松田 豊道氏はNSSOLへの期待を寄せた。

大成建設株式会社 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング室長 木村 彰宏氏
大成建設株式会社 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング室長
木村 彰宏氏
大成建設株式会社 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング室 課長代理 関口 拓希氏
大成建設株式会社 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング室 課長代理
関口 拓希氏
大成建設ICTソリューションズ株式会社 三開発保守部長 松田 豊道氏
大成建設ICTソリューションズ株式会社 三開発保守部長
松田 豊道氏
大成建設ICTソリューションズ株式会社 第三開発保守部 チームリーダー 辻 征氏
大成建設ICTソリューションズ株式会社 第三開発保守部 チームリーダー
辻 征氏
株式会社ケアリッツ・テクノロジーズ チームリーダー 宮川 寿也氏
株式会社ケアリッツ・テクノロジーズ チームリーダー
宮川 寿也氏

コアテクノロジー

●論理データ管理プラットフォーム「Denodo」や「Azure Databricks」に関する知見、非構造化データのデータ利活用に関するノウハウ

システム概要

●「Denodo」と「Azure Databricks」を組み合わせたデータ仮想化基盤を構築。既存のデータプラットフォーム「Taisei-DaaS」を拡張

関連SDGs

SDGs 9

ITによる業務効率化とペーパーレス化を推進

SDGs 12

エネルギー効率の良いプロダクトの開発と提供を目指す

システム構成図

・NS(ロゴ)、NSSOL、NS Solutionsは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
・その他本文及び図表内に記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。

大成建設株式会社様

本社: 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 新宿センタービル
創業: 1873年10月
設立: 1917年12月28日
資本金: 122,742,158,842円
従業員数: 8,994名(2025年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

見積もり、提案依頼はお問い合わせください。

関連リンク