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有事に激増する緊急融資に対し電子契約で迅速な資金提供を実現

株式会社日本政策金融公庫様

プロジェクト概要

背景

新型コロナウイルス禍において緊急融資の申し込みが殺到し、資金提供に時間を要した経験から、日本政策金融公庫は融資契約業務の迅速化に取り組んだ。

ソリューション

金融機関向け電子契約サービスとして、NSSOLの「FINCHUB(フィンチューブ)」を導入した。処理能力を柔軟に拡張できる点やバックアップ拠点が西日本に所在することなどを評価した。

成果

電子契約により融資契約業務を大幅に効率化した。将来起こり得る有事に備え、融資の申し込み件数がコロナ禍でのピークの水準以上に増加しても、大きな遅延なく処理できる体制を整えた。

コロナ禍の緊急融資に利用者が殺到

日本政策金融公庫(以下、日本公庫)は、融資契約業務の効率を飛躍的に高めるため、電子契約サービスを段階的に導入している。
日本公庫は民間金融機関を補完する目的で設立された政府系金融機関である。「融資先は、日本の中小企業の3分の1にあたる約130万社です。東日本大震災などの災害発生時やリーマンショックのような経済危機における緊急融資も当庫の大きな使命です」と企画管理本部特別参与IT部門長の藤野 信裕氏は説明する。
日本公庫が電子契約を導入する契機となったのは新型コロナウイルス禍だ。藤野氏はこの時期の出来事を「我々にとって未曾有の経験でした」と振り返る。
2020年3月、コロナ禍で業績が悪化した企業を対象に実質無利子・無担保で融資する制度(いわゆる「ゼロゼロ融資」)が始まってすぐ、同庫には想定をはるかに上回る数の融資の申し込みが殺到した。「東日本大震災のときは、最も多いときで平時の3倍程度の申し込み数でしたが、コロナ禍では10倍以上に増えたうえ、それが何カ月も続きました。審査手続きを簡略化し、休日返上で作業しても、当時の紙ベースの融資契約業務では未処理の書類が次々に積み上がってしまう状況でした。融資決定後に資金を振り込むまでに、平時を上回る相当な期間を要していました」(藤野氏)。

株式会社日本政策金融公庫 企画管理本部 特別参与 IT部門長 藤野 信裕氏
株式会社日本政策金融公庫 企画管理本部 特別参与 IT部門長
藤野 信裕氏

有事における融資の継続性に焦点

コロナ禍の有事対応で迅速な資金提供ができなかったことを重く見た日本公庫は、融資契約業務を大幅に効率化するために電子契約サービスの検討を始めた。コロナ禍でボトルネックとなっていた契約書類の作成、郵送、必要書類の確認など、事務処理の大半をデジタル化できるからである。
日本公庫は「次の有事では迅速に資金提供できること」を最大のシステム要件に掲げ、様々なサービスを比較検討した。その結果、日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)の金融機関向け電子契約サービス、「FINCHUB(フィンチューブ)」を選定した。
FINCHUBを選んだ理由は、「クラウドサービスなので、有事の際に融資申し込みが急増しても、容易にシステムリソースを拡張できる柔軟さがあり、それが決め手となりました。また、災害に備えて西日本にバックアップ拠点を持てることや、24時間365日のサービス提供を可能にするシステム監視体制なども評価しました」とシステムインテグレーションオフィス共通システム開発第一グループ グループリーダーの矢野 英俊氏は語る。
有事における電子契約サービスの処理能力の拡張性については、NSSOLが詳細な性能試験を実施した。コロナ禍のピーク水準以上の融資申し込みが来ても、電子契約の処理性能が担保されることを検証していた。

株式会社日本政策金融公庫 システムインテグレーションオフィス 共通システム開発第一グループ グループリーダー 矢野 英俊氏
株式会社日本政策金融公庫 システムインテグレーションオフィス 共通システム開発第一グループ グループリーダー
矢野 英俊氏

有事にも迅速な融資体制を確立

FINCHUBの導入プロジェクトは2022年4月にスタートした。このプロジェクトでは、日本公庫の既存の業務フローにFINCHUBをすり合わせるためのアドオン開発を実施し、大量の契約業務に対応できるようにしている。
FINCHUBと業務システムとの連携機能は、NSSOLの支援の下で開発を進めた。「3つの公庫が統合して発足した日本公庫では、事業ごとに異なる業務システムが稼働しています。これらとFINCHUBをつなぐことは、3つの会社の業務システムと同時に接続するようなものでしたが、NSSOLがそれぞれのシステムの開発ベンダーと密に協力しながら連携機能の開発を支援してくれました」(矢野氏)。
日本公庫は2023年11月から段階的にFINCHUBの導入を開始し、2025年1月から全国の支店に拡大していく予定である。FINCHUBについて矢野氏は、「紙の作業と比較して業務が効率化されました。操作が簡単で対面での手続きが不要になるため、お客様からも好評です」と話す。
藤野氏の評価も高い。「電子契約により、有事の際にも迅速に資金提供できる体制が整ったことは、日本公庫にとって大きな成果です。NSSOLには、この分野のリーダーとして引き続き協力してほしい」と語る。

コアテクノロジー

●電子契約に関する知見、電子契約サービス「FINCHUB」の導入・活用ノウハウ

システム概要

●金融機関向け電子契約サービス「FINCHUB」

関連SDGs

SDGs 8

すべての人が金融サービスを使えるようにする

SDGs 11

政策金融により地域の維持・発展を支援する

電子契約サービス「FINCHUB」の概要

・NS(ロゴ)、NSSOL、NS Solutions、FINCHUB/フィンチューブ、FINCHUB(ロゴ)は、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
・その他本文及び図表内に記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。

株式会社日本政策金融公庫様

本社: 東京都千代田区大手町1-9-4
資本金: 11兆7685億円(2024年6月28日現在)
総融資残高: 26兆1404億円(2024年3月31日現在)
従業員数: 7423人(2024年度予算定員)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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