ともに、その“志”をひらく
~デジタルイノベーション共創プログラム「Angraecum(アングレカム)」立ち上げメンバー座談会~
Angraecumの導入を推進する、DX推進&ソリューション企画・コンサルティングセンター イノベーション共創&組織変革グループのメンバー(左から、簡 逸民さん、今野 奈穂子さん、岡田 顕さん、後藤 龍伯さん、石田 真治さん、北里 翔平さん、平井 雅章さん)
NSSOLにおいて新規事業立案・組織変革をミッションとするチームであるイノベーション共創&組織変革グループ。2020年10月、このグループからデジタルイノベーション共創プログラム「Angraecum(アングレカム)」が誕生した。「共進化」の花言葉を持つ蘭の花であるアングレカム-セスキペダレから命名された本プログラム。イノベーション共創&組織変革グループより、当時の立ち上げメンバー4名が、プログラムが生まれる源泉となった「お客さまと自分たちがともに新しい事業を創り出していく」という決意、そして、このプログラムを通して「お客さまとともに変わるため、NSSOLに“できること”」を語ります。
―まずは、Angraecum誕生の背景を教えてください。
石田:2017年頃から、お客さまのCIO(Chief Information Officer)や情報システム部と話をしていても「DX推進」についての話題が出なくなっていきました。その頃から、CDO(Chief Digital Officer)やDX推進部門の設置がトレンドとなり、「DX推進」という役割を彼らが担うようになったためです。それに伴い、予算や人材がIT部門からDX推進部門へとシフトするようになりました。その状況を見て「CDOやDX推進部門をターゲティングした事業を立ち上げないと、NSSOLのビジネスは広がらない!」と危機感を抱きました。
北里:そういった危機感から2018年に立ち上げたのが“攻めのIT”事業。NSSOLのアセットを活用し、既存事業の刷新や新規事業の共創に取り組む試みです。
クリス:当時の1年間で訪問したのは約30社。お客さまからは「NSSOLと組む意味は何?」と厳しい反応がほとんどでした。「NSSOLと新規事業をするイメージは、まだあんまり湧かないなあ」とまで言われることもありましたね。
北里:たとえ対面の担当者(リーダー)が新規事業の共創に意欲的になったとしても、全社や他部門の同意が得られずに実現しなかったこともありました。
―新規事業がうまく進まないときは、どんな理由があるのでしょうか。
岡田:新規事業をミッションとした人が途中で止まる原因は、組織の壁もありますが、実はマインド面が大きいです。新規事業は金銭面のメリットが事前に明確でないことが多く、活動規模拡大を試みたら必然的に他部署からの厳しい指摘に直面します。しかも、新規事業がミッションと言いつつ実は単にアサインされただけでやりたいことも曖昧な人が多い。そんな状態では、チームのコアがないまま迷走した挙句に途中で志が折れてしまいます。
石田:本人にとってイノベーションが自分ごと化されないままでは、壁を超えられなくて当たり前です。新規事業の立ち上げには「人生をかけてでもその事業をやり遂げたい」という志に火をつける「イノベーションリーダーの覚醒」というステップが不可欠です。覚醒したイノベーションリーダーが志を実現するために活動を粘り強く積み重ね、「社内エンジェル」たる役員層を見つけて動かしていく、そうすることで会社が変わることにつながっていきます。
北里:提案を重ねる中でお客さま自身と向き合い切ったからこそ、イノベーションを起こしたいと思っているのに実現にまでたどり着けない2つの壁、「組織」と「マインド」が明確になりました。そして、この2つの壁を超える提案が必要だ、という考えからAngraecumの構想が生まれました。2019年初頭のことです。
―そうだったんですね。具体的にAngraecumはどういったものでしょうか。
石田:Angraecumは「志の高いチーム形成」、「より本質的な課題創出」、「IT実装による具現化」を実現する効率的なDX推進を支援するプログラムです。アート思考やデザイン思考を取り入れたワークショップ、アイデア創出ツールの活用、コンサルティング、ソフトウェア提供といった様々なメニューから構成され、企業ニーズに応じて必要なサービスメニューを提供することで、チーム形成や課題創出から事業化までイノベーションをワンストップで実現します。
岡田:「2020年10月、正式にサービス提供を開始していますが、それ以前から本当にお客様のニーズにマッチしたサービスなのかどうか、数十社に訪問し説明を行っていました。その結果、7割のお客様から「もっと詳しい話を聞きたい」と反応をいただき、強いニーズを感じています。サービス提供開始の発表後の今も、大変引き合いが多い状況です。
クリス:Angraecumのミッションは、「日本企業のイノベーション創出力を高めること」。イノベーションは売りつけるものではなく、お客さま起点で生まれるものです。そのため、Angraecumもリーダーの想いに火をつけるステップから始まります。
―イノベーション創出をともに進める過程では、どういったことが重要になりますか?
石田:大切なのは「志を持っている人は必ず社内にいる」と信じること。「当社にはイノベーション人材がいない」と嘆くお客さまにも「一緒に見つけましょう!」と口説くんです。
岡田:受け身に見えていた人が「覚醒した!」ってわかる瞬間が嬉しいですよね。
クリス:こうした共創プログラムを提供することで、これまでのお客さまとNSSOLが築いてきた関係を超えた、「イノベーションを共に実現することができる関係」だとお客さまに感じてほしいです。
北里:「NSSOLに新規事業なんてできるの?」と懐疑的だった人も、アイデアソンなどを通じてこの2つの壁を乗り越える成果が出てくると、「NSSOLさんのイメージが良い意味で変わりました」と仰っていただけます。一緒に頑張った営業やSEとともに、最も達成感を感じる瞬間でもあります。
―新規事業創出、そしてDX推進にあたってのNSSOLの強みはなんでしょうか。
北里:お客様にとって本当に必要なことは何かを考え抜く「愛」があることではないでしょうか。営業やSEの方をはじめ、プロジェクトの推進を通じて常にお客さまに真摯に向き合ってきた。だから「お客さまに本当に必要なものは何か?」を自分ごとで考えられるし、価値向上に直結する提案ができる。組織をまたいだ泥臭いDXだって厭わずに、お客さまとともにやり遂げられる。
石田:新しいソリューションやパッケージの導入といった“キラキラDX”のほうが世の中的には注目されやすいかもしれません。でも、NSSOLは地味で大変だけど競争力や生産性の向上に直結する“地道DX”ができる。“地道DX”って、お客さまにとって本当に必要なことのはずなのに、想いがないと実現までの道のりが長く険しいので、何となく優先順位が下がりがちになってしまいます。
クリス:お客さまの「変わりたい」想いを受け取り、その想いにAngraecumで火をつけ、ともに伴走しきる覚悟を持って向き合い、お客さまの変革を実現していきたいですね。
石田:今までにない挑戦を形にするまで継続していくのは難しいこと。だからこそお客さまには「楽しもう!」と伝えています。困難なことも楽しいからこそ続けられるもの。まずは「NSSOLと組んだら楽しいじゃん!」と思ってほしい。
岡田:こうした話ってNSSOL自身にも言えることですよね。まだ覚醒していない「イノベーションリーダー」は社内にもいると感じています。営業、技術、管理、どの職種のメンバーにも想いがある。その“志”をかなえるために、私たち自身もAngraecumを活用する。それがNSSOLの成長につながると思っています。
―ありがとうございました。