TO THE FUTURE NSSOL STORIES TO THE FUTURE NSSOL STORIES

2016-12-05 イベント
TwitterTwitterでシェア FacebookFacebookでシェア

5Gで描く未来の工場

~VR技術を利用した5G活用~

2016年11月17日~18日、NTTドコモR&Dセンタ(YRP)にて「DOCOMO R&D Open House 2016」 が開催され、当社はNTTドコモ様と共同で開発した5Gサービスプロトタイプ(試作)のデモを行いました。

このプロトタイプの開発プロジェクトにたずさわったテレコムソリューション事業部とシステム研究開発センターのメンバーに話を聞きました。

(プロジェクトメンバー)

高橋 昌人さん
テレコムソリューション事業部(右上)

須藤 翔平さん
テレコムソリューション事業部(左上)

小川 哲男さん
テレコムソリューション事業部(右下)

王 陸洲さん
システム研究開発センター(左下)

―― 当社がデモをするきっかけはなんだったのでしょうか?

NTTドコモ様での5Gサービスの普及の一助となればと考え、NTTドコモ様とドコモ・ベンチャーズ様が2015年12月に開催した「5Gアイデアコンテスト」にエントリーしたのがきっかけです。当社のVR/AR技術をコアにしたアイデアにNTTドコモ様が関心をもたれ、両社での議論をとおして「5G FACTORY」のコンセプトが生まれ、それを当社にて形にしました。

―― 「5G FACTORY」とはどんなアイデアだったのでしょう?

自由視点映像技術(AR/VR技術)を用いて生産現場の様々な機器の遠隔操作を支援します。 操作対象機器の3Dリアルタイム映像から仮想空間内点群を構成し、5Gネットワーク経由で転送して遠隔地にいる操作者が装着するヘッドマウントディスプレイに表示する、遠隔作業支援 システムを開発しました。
5Gネットワークを利用して、仮想空間の構築に必要な情報をクラウド上に実装されるリアルタイムエンジンに伝送することにより、「3Dリアルタイム表示」「任意の方向からの操作対象機器を可視化」「低遅延での遠隔操作」を可能にするウェアラブルの支援システムです。

「5G FACTORY」のイメージ

―― 実機デモで活用されている技術について教えてください

利用技術は、「自由視点映像技術」と「複合現実技術」の2つになります。
「自由視点映像技術」とは、遠隔地に設置されたロボットアームを取り囲む4方にKinectを設置することによって、ロボットアームを360°の自由な視点で見ることができます。
「複合現実技術」とは、自由視点技術で3D合成した画像を、遠隔地にいる人間のヘッドマウントディスプレイにVRで表示することで、現実と仮想上の世界を複合して表示することが可能となります。
これら2つの技術は当社のシステム研究開発センター(以下、シス研)にて数年前から技術知見をためていました。

実際の操作の様子

ヘッドマウントディスプレイに表示されている画面(ボールの位置を確認しているところ)

ヘッドマウントディスプレイに表示されている画面(ロボットアームがボールをとるところ)

―― 実機デモを準備するにあたって難しかったことはありますか?

ロボットアームの制作では大変苦労しましたね。当社の通常のビジネスでは対応していないことであり、今回も社外の専門企業の協力を得つつ制作をしました。
ロボットアームやVR上に登場するキャラクターの見た目にもこだわって、デザイン専門企業にも協力していただきました。

―― デモ当日は見学の皆さんの反応はどうでした?

開催期間は大変盛況で、お客様の反応もよかったですね。とくに今回デモのために用意したロボットアームは高さ80cmくらいあったので、皆さんの注目を集めました。テレビ東京さんの取材も受け、翌日の朝のニュースのトップで扱われて嬉しく思いました。そういった意味では、5Gの技術は今後の社会を変えるエポックメイキングな技術であると感じますね。

―― 今後のこの技術をどう展開していく予定でしょうか?

まだ具体的な計画ではありませんが、精度を高め、3D自由視点映像ソリューションとして完成し、以下の方面へ展開する話が上がっています。まずは、リアルとバーチャルが混合した空間でゴルフやキャッチボールなどのスポーツをやってみたいです。その先には、離れた拠点での技能伝承への応用が考えられます。
次に、災害現場や遺跡など人の立ち入りが憚れる環境での遠隔操作に対し、周囲の状況を把握しやすいよう、モニタシステムの代わりに導入してみたいです。今回は固定されたロボットをスキャンしていますが、ドローン自体にカメラを取り付け、3D空間を構築しながら遺跡を探索するようなワクワクした仕事を作り出せるかもしれません。
また、AR技術を使ってアニメで描かれているような未来を実現させてみることにもチャレンジしてみたいと思います。

―― 期待しています。ありがとうございました。

関連リンク