停電対策・省電力化の強化へ学務システムをクラウドサービスに移行

国立大学法人 東京大学様

プロジェクト概要

背景

学務システムのサーバーなどのハードウエアを更新する。東日本大震災による電力供給不足を踏まえ、仮想化技術を採用したクラウドサービスへ移行して、停電対策や省電力化を強化したいと考えた。

ソリューション

入札によって新日鉄ソリューションズのクラウドサービス「NSAppBASE(エヌエスアップベース)for CampusSquare」を採用。同社のデータセンターでは、ネットワークセグメントを分割してセキュリティを確保する。

成果

クラウドサービスへの移行によって停電や電力不足に備える仕組みを実現した。最新のハードウエアによって処理性能も向上している。今後は、実際の電力消費量やシステム負荷の測定などを行い、効果を検証していく。

  • 東日本大震災による電力供給不足を踏まえ、クラウドへの移行を検討

    「世界を担う知の拠点」として最高水準の学術・教育活動を展開する東京大学。学生の履修登録や教職員の成績管理などを支援する学務システムとして、学部前期課程向けに「UTask- Web」、学部後期課程・大学院向けに「UT- mat e」を導入している。
    東京大学が学務システムのITインフラ更新を検討したのは2011年初めである。同システムは当時、学内にある物理サーバー環境で稼働していたが、構築から5年が経過して更新時期を迎えていた。併せて、東日本大震災で深刻化した電力供給不足を踏まえ、 東京大学はシステムを仮想化技術を活用したクラウドサービスへ移行することを決断する。計画停電などで電力供給が停止してもシステムの稼働を継続させるとともに、消費電力を削減するのが狙いである。

  • NSSOLの「NSAppBASE for CampusSquare」を採用

    入札によって採用したクラウドサービスは、新日鉄ソリューションズ(NSSOL)の「NSAppBASE for CampusSquare」である。同サービスでは、全国50大学への導入実績があるNSSOLの製品「CampusSquare」を、自家発電設備を備えた堅牢なデータセンターで稼働させる。冗長化した仮想サーバー、ネットワーク機器などのITインフラは大学個別に構築。24時間365日の監視の下、高いセキュリティと可用性を確保する。
    NSSOLはクラウド環境構築プロジェクトを2011年11月から始めた。サービス開始は、入試など学内の業務に影響を与えないよう、2012年1月下旬に設定。NSSOLは事前検証やリハーサルを入念に行ってデータ移行手順を整備するとともに、休日にシステムを停止して行う最終移行作業も正確に進め、スケジュール通りサービスを開始した。

  • 電力不足に備える仕組みを実現、処理性能も向上

    クラウドサービスへ移行した東京大学の学務システムは、学生/教職員合わせて約4万人が利用している。計画通り電力不足に備える仕組みが実現したほか、最新の仮想サーバーやネットワーク機器などのハードウエアによって、処理性能も向上した。
    東京大学の学務システムはCampusSquareをベースにしており、それをクラウドサービスへ移行した。そのため、東京大学向けに行ったCampusSquareのカスタマイズや、学内に設置した証明書発行機との連携などは、クラウドサービスへ移行する前と同じ状態を実現している。
    今後は、実際の電力消費量やシステム負荷の測定などを行い効果を検証していく。数年後を目指して、二つの学務システムの統合も検討しているという。

コアテクノロジー

仮想化、データセンター、24時間365日の監視

システム概要

●クラウドサービス:NSAppBASE(エヌエスアップベース) for CampusSquare(基本システム、教務サブシステム、Web履修、Web成績など)
●利用者数:最大1万2000人/日
●履修登録件数:最大2万1800件/日

国立大学法人 東京大学様

所在地:東京都文京区本郷7-3-1(本郷キャンパス)ほか
設立:1877年
教職員数/学生数:7672人/2万8798人(2011年5月1日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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