実績豊富なALM・リスク管理パッケージを組み合わせ、金融情勢の変化に対応

労働金庫連合会様

プロジェクト概要

背景

・資産シミュレーションを行うのに十分なパフォーマンスが必要
・複雑な金融商品を扱うためのリスク管理システムが必要

ソリューション

・実績あるALM・リスク管理パッケージの組み合わせ
・1社ですべてのパッケージのサポートを行える

成果

・1年弱で期待通りのシステムを稼働
・日時ベースのリスク管理を実現し、多彩なシミュレーションも可能に

  • きめ細かなリスク管理を実現する新情報システムを検討

    2007年秋、4兆6169億円に及ぶ資金を運用する労働金庫連合会は、金融情勢の変化に対応してリスク管理を向上できる新情報システムの検討を開始した。従来同会が利用していたALM(資産・負債の総合管理)システムは、日次でのリスク量の計測を十分に行うにはパワーが不足していたのだ。また、仕組債のように複雑な金融商品も扱えず、よりきめ細やかなリスク管理システムを求めていた。

    新システムではALMとリスク管理を総合的に担うとともに、日次ベースの綿密なリスク管理を行う。さらに、仕組債など市場リスクに加え信用リスクも分析するとともにALMとのデータ連携で業務を効率化し、幅広いリスクをより正確に計測可能にするなどを目標とした。

  • 実績あるパッケージを組み合わせて短期間の導入を達成

    新日鉄ソリューションズが行った提案は、すでに国内外数十社への導入実績のある金融機関向けALMソリューション「BancWare Convergence/バンクウェアコンバージェンス」を中心に、仕組債については「SCUTUM/スキュータム」を、市場リスクについては「MarketQuants/マーケットクオンツ」を、信用リスクについては「CreditQuants/クレジットクオンツ」を使うというものであった。これらは新日鉄ソリューションズが開発した製品であり、全パッケージを1社でサポートできるというのも大きな利点である。

    システム構築が始まったのは2008年5月。連休明けには本格的に検討を開始し、週4回に及ぶミーティングを繰り返すなど急ピッチでプロジェクトを進めた。新日鉄ソリューションズは、ALMで有価証券用の専用帳票を作る、CreditQuantsで時価モード(MTM)方式に加えてデフォルトモード方式での分析機能を搭載する、といった追加機能の開発も柔軟に行った。

  • 1年弱での構築ながら、高い品質とパフォーマンスを実現

    こうしてALM・リスク管理システムは、2009年3月からのパイロット稼働を経て、同年4月から計画通り本格稼働を始めている。新システムの品質や性能に関する評価は高く、シミュレーションの処理時間は以前に比べて3分の1から5分の1になっていると感じられるという。「日次/月次/将来と、三つの独立したリスク管理の処理が計画通り動いています。ALMとデータ連携を行うため、計算実行までの待ち時間もほとんどありません。加えて、CreditQuantsでは計算回数として当初想定していた1万回をはるかに超える100万回に対応するなど、期待以上のシステムになっています」(経営管理部 担当者)。

コアテクノロジー

金融リスクに関する深い業務知見、業務知見を入れたパッケージ

システム概要

●サーバー
13台(DBサーバー×2、バッチ処理サーバー×1、計算サーバー×7、ターミナル・サーバー×2、CreditQuantsサーバー×1)
●クライアント
3台
●アプリケーション
BancWare ALM5 、MarketQuants、CreditQuants、SCUTUM

労働金庫連合会様

所在地:東京都千代田区神田駿河台2-5-15
設立:1955年
出資金:1200億円(2009年3月31日現在)
経常収益:776億円(2009年3月期)
常勤役職員数:455人(2009年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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