新コンテンツ統合管理システムで配信処理能力を3倍に向上

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント様

プロジェクト概要

背景

・成長する配信ビジネスに対応できる業務フローの刷新を検討
・コンテンツ管理・オーサリングの統合システムの必要性

ソリューション

・CDパッケージとネット配信用マスタの統合管理システムを構築
・統合管理システムをグループの基幹システムと連携し、業務フローのあるべき姿をシステム化

成果

・デジタルマスタの効率的な管理、業務の自動化を実現
・ネット配信市場に投下するタイトル数が3倍に増加

  • ネット配信に対応できるデジタルマスタの統合管理を検討

    ソニーミュージックグループは、早くから音楽配信の可能性に着目し、ビジネスを展開してきた。
    「配信事業の急激な成長に対応するため、デジタルマスタや付随するデータを一元管理し、タイムリーに配信先へ提供できる仕組みが必要でした」(制作技術本部 録音部エンジニア)
    ネット配信では、音源の一部を配信用のデータ形式に変換するといった処理が必要だ。これまでは変換システムを別途用意して対応したが、デジタルマスタを手渡しするなどの煩雑な作業が発生していた。
    今後見込まれる配信数の増加に対応するには、膨大なデジタルマスタから音源・画源を効率的に取り出すとともに、配信用データ形式への変換や管理データの付与まで一続きに処理するシステムが理想的だ。また、同グループはデジタルマスタ管理システムと基幹業務システムとを連携させ、配信事業のビジネススキームをグループ全体へ展開することも検討していた。

  • 業務知識が豊富なNSSOLが、新システム構築を手がける

    パートナーとなった新日鉄ソリューションズはソニーミュージックグループに対する業務知見に基づき、効率的に要件をまとめた。新システムの設計開始は2006年11月ごろ、別途進めていた新基幹システムの完成に合わせて、稼働時期は2007年4月1日に決まる。
    インフラ構築では、メーカー中立の立場から主要各社の製品を比較・検討。最も費用対効果の高いものを選択する。アプリケーション開発では、データ管理体系や部署間の業務フローなどでの同グループ固有の要件をきめ細かく盛り込んだ。業務フローも刷新し、従来手渡ししていたデータはシステムで転送するとともに、権利情報を正確にチェックできるようにした。

  • 検索・オーサリングの効率化で配信タイトル数が3倍に

    2007年4月、計画通りに音源・画源ストレージシステム「MAIDS」は稼働する。新システムは、デジタルマスタを一元管理する「デジタルマスタ管理システム」と、手作業だったオーサリングを自動化する「オーサリングシステム」から成る。
    このシステムでは、膨大なデジタルマスタを短時間で検索してデータを取得し、すぐオーサリング作業に入れるようになっている。その結果、一定期間に市場へ投入できる配信タイトル数が従来の3倍に増加したという。また、基幹システム/デジタルマスタ管理システム/オーサリングシステムの三つが連携することで、業務全体の効率化を実現した。

コアテクノロジー

顧客業務に対する広範な知見、確実なプロジェクト実行、顧客との調整能力、Java/Perl/ASP.NET、Oracle、AP開発・インフラ選定・導入を一体実行

システム概要

●サーバー
 APサーバー×9、DBサーバー×1、NFS/CIFSサーバー×1、大容量ストレージ×1、
●ミドルウエア
 Oracle Database、Apache、Tomcat
●クライアント
 Windows/Mac OS(約100名)
●アプリケーション
 デジタルマスタ管理、オーサリングシステムなど

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント様

本社:東京都千代田区六番町4-5
創業・設立:1968年、2003年(新設分割)
資本金:1億円(2009年3月31日現在)
売上高:ソニーミュージックグループ連結1669億円(2009年3月期)
従業員数:ソニーミュージックグループ計約1500名(2009年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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