MFとオープン・システムを連携しコスト削減と機動性の確保を両立

新日鐵住金株式会社建材事業部堺製鐵所様 (旧社名 新日本製鐵株式会社)
2006年6月

プロジェクト概要

背景

・MFベースのシステムが柔軟性を欠く
・システムの維持コストを低減する必要性あり

ソリューション

・小型MFとオープン・システムを組み合わせた手法
・機動性のためにEUCサーバーを用意

成果

・システム全体の維持コストが半減
・業務内容の変化に対応できる機動性の実現

  • メインフレーム更新を期にシステムを全面刷新

    新日本製鐵堺製鐵所はH形鋼、鋼矢板といった建築・土木の基幹資材を扱う同社の主力生産拠点である。同製鉄所では、大型メインフレーム(MF)を用いて、受注計画、材料管理、経理などの業務効率化を行っていた。しかし、機能を逐次追加/改善した結果、1999年頃にはソフトウエアが柔軟性を欠くようになっていたという。
    「画面や帳票を修正するといったちょっとしたことも外部に依頼する必要がありました」(同製鉄所形鋼部長)。
    また、形鋼部大形工場長は「データベース(DB)がMF内で"閉じて"おり、外部からのアクセスが難しいといった課題がありました」と指摘する。
    これらの課題を解消すべく、堺製鐵所ではシステム刷新の検討に入った。プロジェクトは、新日鉄ソリューションズがシステム基盤の構成検討やDBのチューニング、最適化のために参画した。

  • MFとオープン・システム双方のメリットを生かす

    当初は全面的なオープン・システム化を検討したが、開発コストが非常に高い上に、移行のリスクも高くなることが判明した。
    これに対して、新日鉄ソリューションズの提案は、小型MFとオープン・システムを組み合わせ、機能を分担してもたせるというものだった。MFを使っても小型化でハードの維持コストは低減でき、ソフトは改修不要なので、開発コストを抑制できる。

  • ソフト資産も徹底的に見直し、維持コストを削減

    一方、オープン・システムの部分には、MFとの連携や共有化を実現するDBの稼働などの処理を担わせる。また、データ編集や画面帳票出力などの機能を備えるEUCサーバーを用意し機動性を確保した。
    さらに、既存のソフト資産を徹底的に見直した。その結果、ソフト全体の規模は数千KLS(キロ・ロジカル・ステップ)から約4割削減。ハードとソフトを合わせたシステム全体の維持コストは半減したという。

  • 綿密な検証によって立ち上げリスクを低減

    実際のシステム移行作業は、2004年8月からスタートした。すべてを一度に切り替えるのではなく、全体の工程を複数に分割し、並行運用と検証を行って順次切り替えている。
    「新日鉄ソリューションズには、オープン・システムに対する経験を生かして開発中に生じたさまざまなトラブルを解決していただきました。スタッフには当社の業務内容に精通している人もおり、新システムは枝葉が落ちて無駄のないものになりました」(形鋼部長)。

コアテクノロジー

EUC、Java、COBOL、Windows、UNIX

システム概要

●サーバー
 メインフレーム×1、操業系サーバー×3、D Bサーバー×2、We bサーバー×1、プロコン連携サーバー×1 、メインフレーム連携サーバー×1、EUC系サーバー×2ほか
●クライアント
 約60台(情報系・操業系端末)
●主なアプリケーション
 自社開発メインフレーム用=計画・実績系/ 一般管理系、自社開発オープン系用=操業系/情報系
●データベース管理システム
 Oracle
●ネットワーク構成
 ギガビット(基幹LAN)

新日鐵住金株式会社建材事業部堺製鐵所様 (旧社名 新日本製鐵株式会社)

所在地:大阪府堺市堺区築港八幡町1番地
操業開始:1961年
従業員数:186名(2005年3月31日現在)
面積:約370万m2
主要設備:大形工場

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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