機関投資家との相互接続を短期間で実現した独自ノウハウ

新光証券株式会社様

プロジェクト概要

背景

・FIXが注文管理の業界標準になり、対応が必須
・FIX対応を数カ月で行う必要あり

ソリューション

・証券会社向けシステムの豊富なノウハウと実績
・設定ファイルによる差異吸収で運用を容易に

成果

・計画どおりの日程で、機関投資家との接続を完了
・設定ファイルを利用することで接続作業もスムーズに

  • 機関投資家からFIX対応への要望が高まる

    新光証券は、2000年4月に和光証券と新日本証券との合併により誕生した証券会社だ。同社は、合併で複雑になった株式トレーディング・システムの全面的な刷新を進めていた。ところが2005年に喫緊の課題に直面する。それはFIX接続への早急な対応だ。
    FIXとは、機関投資家のOMS(注文管理システム)と証券会社のOMSを結ぶ電文通信用プロトコルのこと。FIXによってさまざまなOMSと注文や約定情報を交わせるようになり、電話注文時の言い間違いなどのリスクを減らせる。
    2005年になると、FIXは機関投資家の間に急速に広まり、瞬く間に業界標準となった。新光証券に対しても機関投資家からFIX接続への要望が高まっていった。そこで、株式トレーディング・システムの刷新にめどが付いた2005年6月、FIXシステムの構築を並行して開始した。

  • 証券会社向けシステムを知り尽くしているからこそできた提案

    FIXシステムの構築で新光証券が求めたのは、第一にシステム稼働までのスピードだった。開発パートナーには証券取引の慣習や約束事などの知見があることが求められ、これまでの実績を評価された新日鉄ソリューションズが指名されることになった。
    「FIXの電文は機関投資家によって異なります。新日鉄ソリューションズからは、この差異を吸収する方法として、アプリケーション本体の外部に、機関投資家ごとの設定ファイルを用意するという提案をもらいました」(IT戦略部ITインフラ課担当者)。

  • 短期間でトラブルなしに完成させた開発体制

    こうして2005月7月に設計が始まったFIXシステムは、同年12月の完成に向けて動き出す。
    工期が短いことから、新日鉄ソリューションズは開発方式にスパイラル型を採用。開発プロセスを、通信基盤の構築、アプリケーションの開発、エラー制御という3つのフェーズに分け、迅速にプロジェクトを進めた。結果、予定どおり6カ月で完成に漕ぎ着けた。

  • FIX接続作業はスムーズで、改修も必要なし

    完成したFIXシステムは、運用面でも新日鉄ソリューションズのノウハウが功を奏している。
    「機関投資家のOMSと接続する作業は、FIXゲートウエイの設定ファイルを作るのが中心で非常にスムーズです。FIXシステムのプログラム・ソースの改修を要するイレギュラーなケースもほとんどありません」(IT戦略部ITインフラ課担当者)。

コアテクノロジー

スパイラル・モデルによる開発、XML

システム概要

●運用サーバーの機種、OS、台数
 Sun FireV440(Solaris 8)×2台、Sun Fire V240(Solaris 8)×2台
●クライアント数/主なOS
 Windows2000×14台
●主要アプリケーション
 FIXゲートウエイ、FIXエンジン、FIXクライアント
●ミドルウエア
 TIBCO Rendezvous
●データベース管理システム
 Oracle

新光証券株式会社様

本店:東京都中央区八重洲2-4-1
設立:1917年7月
資本金:1252億万円(2006年3月末現在)
営業収益:単独1445億円/連結1529億円(2006年3月期)
経常利益:単独393億円/連結432億円
従業員数:単独4058名/連結4863名(2005年9月末現在)
グループ会社:連結対象子会社16社、持分法適用関連会社3社

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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