急ピッチでクラウド化を進める中 基幹システムの基盤刷新に新方式を採用
プロジェクト概要
背景
基幹システムの保守切れが近づき、システム基盤の更改を検討していた。事業の拡大に伴うデータ処理の負荷増大に対応するとともに、クラウド基盤に移行することで運用コストの削減を目指した。
ソリューション
通信教育や模擬試験などで大量の個人情報を取り扱うことから、自社データセンター内にサーバーを置き、専用のクラウド環境を構築できるサービスを採用した。新サービスの導入においてはNSSOLが的確なサポートを提供した。
成果
クラウド基盤への移行を1年余りで完了した。性能アップによりバッチ処理時間が大幅に短縮され、費用対効果も25%以上アップした。今後、その他のシステムもこのクラウド環境に順次移行予定。
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グループ全体のクラウド戦略に合わせ、基幹システムの基盤刷新を検討
会員数250万人を擁する「進研ゼミ」、幼児向けの「こどもちゃれんじ」といった通信教育事業を軸に、模擬試験を中心とした学校向け教育事業「たまごクラブ」「ひよこクラブ」をはじめとする生活事業など幅広いビジネスを展開するベネッセコーポレーション。同社は、グループ内のインフラ統合による効率化やコスト削減を目指し、2020年までの2年間でシステム全体の7割をクラウド環境に移行させる計画だ。
この戦略のもと、サポート切れが迫っていた基幹システムのクラウド化について、2017年1月から検討を開始した。新しいシステム基盤に対する要件としては、コスト削減や、事業の拡大に伴ってバッチ処理の負荷が年々増大し続けてきたことへの対策などを重視した。 -
新サービスの導入に対応できる、万全のサポート体制が必要に
ベネッセコーポレーションは従来、自社で選定したパブリッククラウドへの移行を推進してきた。しかし、基幹システムをパブリッククラウドで稼働させるとなると、可用性やセキュリティの面で少なからぬリスクを伴うと判断し、自社データセンター内にクラウド環境を構築できるOracle Cloud at Customer(OCC)とクラウドデータベースのOracle Exadata Cloud at Customer(ExaCC)の導入を決めた。
2017年5月、導入プロジェクトを開始。OCCやExaCCという新サービスを導入するに当たって、同社は初期トラブルへの対応を考慮し、厚いサポートをコミットした日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)をITパートナーに選んだ。NSSOLは同じ検証機を自社にも用意し、米Oracleと密に連携しながら導入を支援した。 -
バッチ処理時間が大幅短縮、費用対効果は25%以上の向上
ベネッセコーポレーションはスケジュール通り、2018年1月、6月、9月の3回に分けて、顧客管理や販売管理など基幹系4システムのシステム基盤をOCCとExaCCで順次刷新した。
新システムに対する満足度は高い。サーバーの性能アップにより、バッチプログラムの半数で処理時間が半分に短縮されるなど大きな成果を上げた。コスト面でも、システムのCPU数が半減したことで、CPU数に依存するライセンス料が半減。これにより、システム全体の費用対効果が25%以上アップした。
同社は今後もクラウド戦略に基づき、オンプレミスのOracle Exadata上で稼働しているマーケティングシステムなどを新基盤へ順次移行させる計画だ。
コアテクノロジー
クラウド構築技術、Oracle製品に関する技術知識
システム概要
●サーバー:Oracle Cloud at Customer/Oracle Exadata Cloud at Customer
株式会社ベネッセコーポレーション様
本社:岡山県岡山市北区南方3-7-17
創業:1955年
資本金:30億円(2019年3月31日現在)