通信サービス基盤のさらなる効率化へ ネットワーク設定作業自動化システムを導入

株式会社NTTドコモ様

プロジェクト概要

背景

通信サービス基盤で数千台規模のネットワーク機器を稼働させているが、同基盤で顧客向けサービス事業を展開していくなか、ネットワーク機器の設定作業について、さらなるコスト効率化とスピードの向上を求めた。

ソリューション

シスコシステムズのマルチベンダー対応設定自動化ツールに、利便性を高める「HANAITA」というNSSOL独自開発のGUIフロントエンドを統合したネットワーク設定作業自動化システムを導入。通信サービス基盤に最適化する。

成果

自動化システムの導入範囲を段階的に拡大しているが、人手と同等の高品質を維持しながら、作業期間を5~6日から1日へと大幅に短縮した例が出ている。万一のトラブル発生時は簡単な操作で切り戻しができるのも利点だ。

  • 通信サービス基盤のネットワーク機器設定作業について自動化を検討

    国内最大手の移動体通信事業者として持続的な収益力強化を目指すNTTドコモ。新たな柱として「dマーケット」など顧客向けサービス事業を展開している。同社が通信サービス基盤で稼働する数千台規模のネットワーク機器について、設定作業自動化の検討・調査を開始したのは2014年度のことである。同基盤はもともとISPサービス向けのものだったが、顧客向けサービス事業を展開するなか、同事業の基盤としても活用され、収益性向上へさらなる効率化が求められていた。通信サービス基盤で稼働するネットワーク機器はメーカーや機種が非常に多く、これまでは人手で高い作業品質を実現してきたが、NTTドコモは自動化システムの導入によって、高い品質を維持しながら、コスト効率と作業スピードを飛躍的に高めたいと考えた。

  • 実績あるツールにNSSOL独自の「HANAITA」を統合して利便性追求

    NTTドコモは設定作業自動化システムの導入を2015年度に本格スタート。複数のITベンダーに提案を依頼し、新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)のネットワーク設定作業自動化システムを選定する。これはマルチベンダー対応設定自動化ツール「Cisco Network Services Orchestrator(旧Tail-f)」(以下、NSO)に、NSSOL独自のGUIフロントエンド「HANAITA」を統合したもの。GUIの操作で素材と呼ぶ作業要素を組み合わせて、レシピと呼ぶワークフローを作成。レシピを基にNSOが機器固有のコンフィグファイルを生成して管理対象機器で実行することで、多様な機器の設定を自動化する。NTTドコモは同年度内に自動化対象機器や設定作業の洗い出しを実施。並行してNSSOLがHTML5ベースのHANAITAをNSOに統合した。

  • 80台の設定作業が5~6日から1日に短縮、設定の切り戻しも容易

    このネットワーク設定作業自動化システムは2016年2月までに、通信サービス基盤で稼働するネットワーク機器におけるほとんどの設定作業に対応したHANAITAの素材をそろえ、本番環境へ段階的に導入しているところである。設定自動化を行った環境では早速大きな成果が出た。この自動化システムでは、レシピを厳重にチェックして作成しておけば、設定作業自体は一気に実行できる。80台の機器を対象にしたある設定作業は、人手では5~6日かかっていたが、自動化により1日もかからず終了したという。HANAITAのレシピ作成を含めたトータルで見ても作業は効率化されており、約30%のコスト削減を見込んでいる。この自動化システムでは、万一トラブルが発生したとき、簡単な操作で設定の切り戻しができるようになっている点も高く評価されている。

コアテクノロジー

ランブックオートメーション、HTML5、hifive

システム概要

ネットワーク設定作業自動化システム:HANAITA、Cisco Network Services Orchestrator(NSO)

株式会社NTTドコモ様

本社:東京都千代田区永田町2-11-1
営業開始:1992年
資本金:9496億円(2016年3月31日現在)
売上高:連結4兆5270億円(2016年3月期)
従業員数:連結2万6129名(2016年3月31日現在)
グループ会社:子会社124社、関連会社27社(2016年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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