グループ事業会社のシナジー効果追求へ酒類・飲料の需給・調達・生産システムを統合

アサヒグループホールディングス株式会社様

プロジェクト概要

背景

グループ事業会社のシナジー効果追求に向けて、酒類・飲料事業における生産・物流業務を全体最適化する。その一環として、各事業会社が構築してきた需給・調達・生産システムを統合。全体最適化を加速したいと考えた。

ソリューション

SCMシステムと原材料調達システムの再構築を行うITパートナーに新日鉄住金ソリューションズを選定。同社の酒類・飲料・食品業界における業務およびITに関する豊富な知見・実績を基に品質の高い新システムを構築する。

成果

生産・物流業務に関する共通プラットフォームの完成によって、業務効率の向上やITコストの削減が進んだ。SCMシステムでは業務スピードが向上。原材料調達システムでは調達情報の一元化を推進する基盤が整備できた。

  • シナジー効果の追求へ、需給・調達・生産システムの統合を検討

    「『食の感動(おいしさ・喜び・新しさ)』を通じて世界で信頼される企業グループを目指す」を長期ビジョンに掲げ、グループ全体の企業価値向上へ取り組むアサヒグループホールディングス。アサヒビールやアサヒ飲料といったグループ事業会社の主力ブランドを強化・育成するとともに、生産・物流体制の全体最適化に取り組んでいる。
    同社が、酒類・飲料のグループ事業会社における需給・調達・生産システムの統合を検討したのは2012年である。アサヒグループでは、グループ事業会社のシナジー効果を追求するため、個別事業会社の枠を超えて生産・物流業務を再構築していたが、グループの各事業会社が個別に構築・運用してきた需給・調達・生産システムを新たな業務体制に合わせて共通化。生産・物流業務の全体最適化を加速したいと考えた。

  • 業務・ITに関するNSSOLの豊富な知見・実績を基にシステムを構築

    アサヒグループホールディングスは需給・調達・生産システムのうち、SCMシステムと原材料調達システムの再構築を行うITパートナーとして、酒類・飲料・食品業界の業務に詳しく、多数のシステム導入実績を持つ新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)を選定。SCMシステムについては2007年にアサヒビールとニッカウヰスキーにNSSOLが導入したものを強化してアサヒ飲料へ展開するとともに、原材料調達システムについては3事業会社の業務担当者の要件をまとめた新たなシステムの構築を決める。
    NSSOLは「NSSOL SCMテンプレート」という導入実績のあるプログラムライブラリなどを活用してSCMシステムを開発。さらに原材料調達システムでは、豊富な業務知見を基に各事業会社の意見を調整して要件を確定し、プロジェクトを計画通り推進した。

  • 酒類・飲料事業共通のプラットフォームが完成、ITコストも大幅に削減

    全体最適化した生産・物流体制に対応する新システムは2014年1月から本格稼働を開始している。酒類・飲料といった複数の事業会社をまたぐ生産・物流業務の共通プラットフォームが完成したことによる成果は大きい。アサヒグループでは、ビール工場で飲料を製造する場合も飲料の情報がリアルタイムで取得できるなど、グループ事業会社の枠を超えてさらなるシナジー効果を追求できるようになった。それに加えて、SCMシステムではパフォーマンスの改善によって業務スピードが大幅にアップしているほか、原材料調達システムは原材料調達業務の統合をより強力に支援する基盤として活用できるようになっている。グループ事業会社が個別に構築・運用していたシステムを一本化することによって、運用・保守に要するITコストも大幅に削減された。

コアテクノロジー

グループ共通業務システム基盤の構築、NSSOL SCMテンプレート、SCMの業務知見とプロジェクト推進力

システム概要

●サーバー:APサーバー×2およびDBサーバー×1(SCMシステム)、APサーバー×2およびDBサーバー×1(原材料調達システム)、バッチサーバー×1(2システム共通)
●ミドルウエア:Oracle Database 11g(Oracle Exadata Database Machine)、Oracle WebLogic Server 12c、Citrix XenApp
●アプリケーション:SCMシステム、原材料調達システム

アサヒグループホールディングス株式会社様

本社:東京都墨田区吾妻橋1-23-1
設立:1949年
資本金:1825億円(2013年12月31日現在)
売上高:連結1兆7142億円(2013年12月期)
従業員数:連結1万8001名(2013年12月31日現在)
グループ会社:連結子会社85社、持分法適用関連会社110社、持分法適用非連結子会社3社(2013年12月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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