住宅ローンの8割を電子契約に 顧客の利便性と業務効率を向上

株式会社千葉銀行様

プロジェクト概要

背景

従来、ローン契約はすべて紙の契約書で行われており、顧客側の記入・押印の負担や、手作業に起因する記入相違、印鑑相違などの事務ミスが課題となっていた。

ソリューション

金融業界向け電子契約サービスの「FINCHUB@absonne」を採用し、短期間で電子契約システムを構築した。審査システムなどとデータ連携することで、契約書類の作成や保管作業も効率化した。

成果

電子契約によって顧客の負担が減り、利便性が向上した。契約にかかわる銀行側の作業時間も短縮され、住宅ローンの契約では年間5100時間の省力化につながった。

書類記入と押印の手間が課題に

人口減少や超低金利により経営環境が厳しさを増すなか、千葉銀行は持続的な成長を実現するため、「金融機能の深化と地域金融の新たなモデル構築による、『カスタマー・エクスペリエンス』の向上」というビジョンを掲げている。そのカギとなる戦略の一つは、デタルテクノロジーの活用による新たな価値の提供である。
この方針の下、千葉銀行は個人向けの住宅ローンや法人向けの事業性融資に電子契約を導入し、契約業務のデジタル化や非対面化を推進している。
電子契約の導入目的は、顧客の利便性の向上と銀行側の業務効率化である。
事務企画部管理指導グループ副調査役の木村 健太氏は、「従来の融資契約は紙と印鑑に依存していたため、お客さまには書類の記入や押印の負担があり、契約時に来店していただく時間を確保してもらう必要もあります。銀行側にとっても、紙の契約書は記入相違や印鑑相違といった事務ミスの原因になります。お客さまの負担や事務ミスを減らすために、電子契約を導入することにしました」と語る。

株式会社千葉銀行 事務企画部 管理指導グループ 副調査役 木村 健太氏
株式会社千葉銀行 事務企画部 管理指導グループ 副調査役
木村 健太氏

分かりやすさ、使いやすさを重視

電子契約の導入に当たり、千葉銀行は複数の電子契約システムを比較検討し、日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)が提供する金融業界向けの電子契約サービス「FINCHUB@absonne(フィンチューブ・アット・アブソンヌ)」を選定した。
ローン営業部推進支援グループ副調査役の深山 翔氏は、その選定理由について次のように説明する。「お客さまが電子契約システムを直接操作する場面があるので、分かりやすく使いやすいことを重視しました。FINCHUBはこの条件を満たし、メガバンクを含めた多くの銀行で導入実績がありました。また、検討の初期段階からNSSOLがさまざまな情報提供をしてくれたこともポイントの一つです」。
千葉銀行は、まず住宅ローンを対象に2020年2月から電子契約システムの試行を開始した。その後、全店展開に向け、2021年8月にローンの審査システム、契約書の電子保管システムとFINCHUBをデータ連携させて、契約書の作成や保管作業を効率化。同年11月に全店展開を完了した。

株式会社千葉銀行 ローン営業部 推進支援グループ 副調査役 深山 翔氏
株式会社千葉銀行 ローン営業部 推進支援グループ 副調査役
深山 翔氏

多種類のローン契約書を統廃合

その際、FINCHUBを導入するだけでなく、業務の見直しも実施した。深山氏は、「住宅ローンの契約書は種類が多く、案件の内容に応じた使い分けが必要でした。しかし、電子契約システムの導入を機に、これら契約書の統廃合を全行で実施し、契約書類をシンプルにしました。行内の調整が大変でしたが、お客さまに用意していただく書類を減らし、FINCHUBでの準備作業を早くする狙いがありました」と説明する。
千葉銀行は住宅ローンでの導入実績を受け、事業性融資にも電子契約の導入を開始した。2022年7月に6店舗で試行を始め、2022年度中の全店展開を目指す。
事務企画部管理指導グループの大林 正寛氏は、「当行の要望に対するレスポンスのよさに加え、必要に応じてすぐにデモ画面を使って説明してもらえました。FINCHUBの仕組みを理解し、スムーズな導入を進めていくうえで、NSSOLのサポートが非常に助けになりました」と語る。

株式会社千葉銀行 事務企画部 管理指導グループ 大林 正寛氏
株式会社千葉銀行 事務企画部 管理指導グループ
大林 正寛氏

年間5100時間の効率化を実現

FINCHUBの導入効果は大きい。住宅ローン全体の8割強、半年で約5000件の契約が電子契約に移行し、顧客の利便性が向上。1件の契約にかかる時間も平均10分短縮され、紙の書類を保管する作業時間は約20分減った。電子契約による省力化効果は、年間5100時間に上る。
また、事業性融資については、完全な非対面契約を試行中だ。契約の締結時に顧客に来店してもらったり、行員が顧客を訪問したりせずとも融資契約を結べる。住宅ローンでも、特定の顧客に向けて非対面契約を試行する考えという。
今後は、電子契約の範囲を広げていく。「貸付条件を変更する契約や、デリバティブ取引の契約、連帯保証人契約などにも電子契約の導入を進めていきたい。今後の開発フェーズもNSSOLと進めていく計画なので、引き続き協力してほしい」と木村氏は期待する。

コアテクノロジー

●電子契約に関する知見、電子契約サービス「FINCHUB@absonne」の導入・活用ノウハウ

システム概要

●電子契約サービス:「FINCHUB@absonne」

関連SDGs

SDGs 9

よりよい暮らしのための金融サービス

SDGs 11

ペーパーレス化で環境への影響を減らす

千葉銀行が導入した電子契約サービス「FINCHUB@absonne」における契約手続きの流れ

株式会社千葉銀行様

本社: 千葉県千葉市中央区千葉港1-2
設立: 1943年
資本金: 1450億円(2022年3月31日現在)
総資産: 19兆112億円(2022年3月31日現在)
従業員数: 4070名(2022年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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