プロジェクト概要
背景
ビジネスパートナーとの価値協創を進め、ライフスタイルの変化に合わせた新たなサービスの創出に取り組むなかで、AI(人工知能)が最適な保険プランをレコメンドする「AIほけん」サービスを計画していた。
ソリューション
ユーザー目線のサービス開発を効率的に進めるため、アジャイル開発手法とクラウドネイティブのアーキテクチャーを採用。従来、小規模開発向けとされてきたアジャイル開発手法を大規模なサービス開発に適用した。
成果
プロジェクト開始から8カ月で2種類の新しい保険サービスをリリースし、ユーザーを多数獲得した。パートナーとのアジャイル開発を通して、大規模な新サービスを素早く立ち上げる価値協創体制も整えた。
ライフスタイルの変化を受け、新たなサービスを計画
主力となる移動通信事業に加え、NTTドコモは動画配信サービスや金融・決済サービスなどのスマートライフ事業に注力している。中期戦略「beyond宣言」に基づき、AIエージェントやFinTechを活用したライフスタイル革新、多様なパートナーとの協創拡大などに積極的に取り組んでいる。
NTTドコモはスマートライフ事業でのサービス拡充を目指し、2018年夏、東京海上日動火災保険とパートナーシップを組んで、AIによる保険商品レコメンデーションサービス「AIほけん」の検討を開始した。スマートフォンの普及とともに保険契約に対する顧客のニーズが多様化したことを受け、簡単な質問に答えるだけでAIがおすすめの保険を提案、そのままネット上で契約できるサービスを計画した。
アジャイル開発により、ユーザー目線のサービスを実現
AIほけんのプロジェクトは2019年2月にスタートした。新サービスを周知するため、無料で加入できる保険キャンペーン向けのシステムを2019年7月に先行稼働させ、AIによるレコメンデーション機能などを追加したAIほけんサービス用のシステムを2019年10月にリリースした。
NTTドコモは大規模なサービス開発をユーザー目線で効率的に進めるため、ニーズに柔軟に対応できるアジャイル開発手法と、マイクロサービス、AWSマネージドサービスの活用といったクラウドネイティブのアーキテクチャーを採用した。ITパートナーには、金融の知見やアジャイル開発経験が豊富なことに加え、高い当事者意識と熱意を示した日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)を選んだ。
大規模なサービスをアジャイル開発する共創体制を確立
プロジェクトのスタートから8カ月ほどの短期間に2種類の保険サービスをスケジュール通りにリリースした。NTTドコモと東京海上日動火災保険は多数のユーザーを獲得し、今後もさらなるユーザー増に期待している。
NTTドコモは、東京海上日動火災保険、NSSOLとの3社によるアジャイル開発プロジェクトを通して、多様なパートナーとの協働により、大規模な新サービスを素早く立ち上げる価値協創の体制も整えた。今後はAIほけんのサービス改善を繰り返していくほか、これまで別のシステムで提供していた保険サービスもAIほけんと同じシステム基盤に移行させることを検討している。スマートライフ事業のサービス全体で新規開発・改善のスピードを高める狙いだ。
コアテクノロジー
大規模サービスのアジャイル開発、クラウドネイティブの設計・開発
システム概要
●アプリケーション:AIによる保険商品レコメンデーションサービス
株式会社NTTドコモ様
本社:
東京都千代田区永田町2丁目11番1号
営業開始:
1992年
資本金:
9496億7950万円(2020年3月31日現在)
営業収益:
連結4兆6513億円(2020年3月期)
従業員数:
8100名(2020年3月31日現在)