三井化学と日鉄ソリューションズ、業務効率化・高度化に向けてサプライチェーンの最適化で協業開始

~DXの活用により、数十億円規模の改善効果を見込む~

三井化学株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修、以下「三井化学」)と日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:玉置 和彦、以下「NSSOL」)は、サプライチェーン領域における業務効率化および意思決定の高度化に向けて協業を開始しました。
本協業では、NSSOLが有する高度な数理最適化技術および業務設計力と、三井化学の製造・物流現場に根差した知見を融合させることで、実行可能性の高いソリューションを構築し、生産性向上とコスト削減の両立を目指します。
すでに三井化学の一部の拠点で行ったPoC(概念実証)では、1拠点あたり年間数億円規模の業務改善効果が見込まれるという結果を得ました。今後、さらに複数の拠点へ展開することにより、三井化学グループ全体で数十億円規模の効果が期待できると見込んでいます。

協業の内容

三井化学では、需要変動や生産能力への対応を行う際、経験や属人的なノウハウに頼った意思決定が多く、迅速性や正確性の面で課題がありました。
今回の協業では、これまで三井化学社内で開発してきた生産計画最適化プログラムをベースに、NSSOLが有する優れた数理最適化アルゴリズム(生産スケジューリング・在庫配置の最適化・原材料制約を考慮した多品種調整など)の技術を活用し、計画業務におけるデータに基づく迅速かつ精緻な判断を支援する仕組みづくりを進めています。2024年秋より検討を開始し、三井化学グループの国内製造拠点における樹脂製品の生産・在庫管理業務を対象に、段階的にPoC(概念実証)を実施しています。
一例としては、月単位での生産量を需給バランスに応じて見直すことで在庫の過不足を抑制したり、生産順序を最適化することでロスや切替工数を削減するなど、生産スケジューリングの高度化に取り組み、現場実装を見据えた実運用フェーズへの移行を進めています。

今後は、「どの製品をいつ、どれだけ生産するか」「在庫をどこにどれだけ配置するか」といった生産・在庫管理の最適化に加え、物流ルートや販売計画への応用も視野に入れた物流ネットワークの効率化や販売計画の最適化といった他領域への展開も視野に、協業をさらに深めてまいります。

三井化学について

三井化学は、ライフ&ヘルスケア、モビリティ、ICT、ベーシック&グリーンマテリアルズ分野に様々な素材やサービスを提供する総合化学メーカーです。数多くの世界トップ製品を有し、売上高1兆8,000億円、世界約30か国、160社以上を抱えるグローバル企業として、卓越したソリューションと「新たな顧客価値の創造」を通じ、社会課題の解決に貢献しています。長期経営計画「VISION 2030」では、「社会課題の解決を通じた企業価値向上」を基本方針として掲げ、その実現に向けてデジタル技術の積極的な活用による業務の高度化を重要な戦略と位置づけています。

日鉄ソリューションズ(NSSOL)について

NSSOLは、お客様のDX推進を一貫して支えるための各種ソリューションやサービス、ノウハウを提供しています。その中の一つである最適化手法については、製鉄業における鉄鋼生産計画を起点とし、生産・在庫・物流領域等において多様かつ体系的な取り組みを長年にわたり実施してきました。そこで培った高度な技術力とノウハウを活かし、幅広い製造業のお客様に向けて、様々な計画業務・スケジューリング領域等の最適化システムやコンサルティングサービスを提供しています。
今後もNSSOLは、「ともに未来を考え 社会の新たな可能性を テクノロジーと情熱で切り拓く」のパーパスのもと、デジタルの力を活用することで、三井化学のDX推進に幅広く貢献してまいります。

以上

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