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食品業界特化型「PPPlan」を活用しSCM計画・在庫の最適化を実現

マルハニチロ株式会社様

プロジェクト概要

背景

加工食品事業では、部署間で需給計画を効率よく共有できず、安全を期して在庫を多めに持たざるを得なかった。需給調整業務のプラットフォームを作ることで在庫量の最適化と業務の標準化を目指した。

ソリューション

需給管理システムの豊富な経験に基づくNSSOLの知見を基に開発された食品業界特化型SCM計画系クラウドサービス「PPPlan」を採用。システムの機能に合わせ、在庫管理の手法も標準化した。

成果

システムで算出された統計予測値を参考に出荷計画を立案。定期的な実績対比のトレースを確立し、在庫適正化に向けた道筋が見えてきた。需要変動に伴う出荷計画の変更プロセスも標準化されつつある。

見込み生産の在庫水準に課題

世界最大の水産物サプライヤーであるマルハニチロは、加工食品(冷凍食品や缶詰)の製造販売においても国内トップクラスの市場シェアを誇る。同社は2023年4月、加工食品のサプライチェーンマネジメント(SCM)を効率化するために、日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)の食品業界特化型SCM計画系クラウドサービス「PPPlan(ピーピープラン)」を新しい需給管理システムとして稼働させた。
狙いは、見込み生産型の加工食品部門における需給管理業務の高度化と在庫の適正化である。常務執行役員物流ユニット長の小門 賢一氏は、「これまでは欠品が起こらないように、加工食品の製造から出荷までの各段階でそれぞれ在庫を多めに持つ傾向がありました。一方で、予想を超える需要が生じることもあり、そうなった場合は限られた在庫をどの取引先に割り振るかを調整しなければなりません。このような需給状況の変動に合わせて、在庫をより的確にコントロールしたいと考えていました」と語る。
在庫量の決め方や需給管理業務に関する部門間の情報伝達にも解決すべき課題があった。「安全在庫量を用いた客観的な基準や計算を行う仕組みがなく、これまでは加工食品部門にある4つの事業の担当者が各自の経験を基に表計算ソフトで個別に対応していた点も課題でした。また、需給状況が変化したとき、部門内外と調整するための情報伝達をメールや電話に依存していたため、需給調整に時間がかかっていました」と事業管理部管理一課課長役の藤原 一成氏は説明する。

販売・生産を含む全体構想を評価

こうした課題に対し、「NSSOLの提案は魅力的だった」と小門氏は振り返る。PPPlanがマルハニチロの業務要求を十分に満たしていることはもちろん、需給管理システムのあるべき姿として、NSSOLが販売管理や生産管理と連携する「全体構想」を提案したことが評価された。マルハニチロは複数ベンダーのソリューション提案を比較検討していたが、これらの点からNSSOLを開発パートナーに選定し、PPPlanを導入することにした。
2022年1月に導入プロジェクトがスタートし、仕様確認やシステムテスト、現場教育などを経て、2023年4月に市販冷凍食品の約500品目を対象に業務利用を開始した。
事業管理部管理一課副部長役の猪俣 裕之氏は、この導入過程で苦心したことについて次のように語る。「今回のプロジェクトには、安全在庫の基準をきちんと決め、4つの事業で異なっていた需給管理のやり方を標準化するという側面もあります。単に新しい需給管理システムを導入するだけではなく、それを使っていかに業務を回すか、現場が腹落ちする新しい業務ルールをどう策定するかという点に力を入れていました。そうしたなか、NSSOLも当社の現場に踏み込んで、毎日のようにやり取りしながら業務プロセスや標準化の検討に協力してくれました。これがとても助かりました」。

500品目の在庫水準を適正化

新システムの稼働により、需給調整業務の生産性は確実に向上し、在庫適正化の面でも大きく改善した。その成果について、加工食品ユニット市販用冷凍食品部事業企画課兼務事業管理部管理一課課長役の稲垣 達人氏は、こう説明する。
「PPPlanには前年実績と直近の出荷量の傾向を基に出荷計画の統計予測をする機能があり、それを参考に出荷計画を効率的に立てられるようになりました。また在庫水準を適正化するには出荷計画の精度を上げる必要があるため、計画と実績の差異を見つけて対処するサイクルを回すことで、出荷計画の精度を上げていく考えです。発注から出荷までのスケジュールがシステム上で一元管理されたことによって、出荷計画を急きょ変更しなければならない状況になっても、以前と比べて営業、物流などの関係部門の対応が明らかにスピーディーになりました」。
今後は、新システムの管理対象を大幅に広げる計画だ。「2023年度末までに、缶詰や業務用冷凍食品などを含めた約3000品目をPPPlanで管理する予定です。これで加工食品部門の商品をほぼすべてカバーできるようになります。これからもNSSOLには、幅広い提案と協力を期待しています」と小門氏は語る。

マルハニチロ株式会社 常務執行役員 物流ユニット長 小門 賢一氏
マルハニチロ株式会社 常務執行役員 物流ユニット長
小門 賢一氏
マルハニチロ株式会社 事業管理部 管理一課 副部長役 猪俣 裕之氏
マルハニチロ株式会社 事業管理部 管理一課 副部長役
猪俣 裕之氏
マルハニチロ株式会社 事業管理部 管理一課 課長役 藤原 一成氏
マルハニチロ株式会社 事業管理部 管理一課 課長役
藤原 一成氏
マルハニチロ株式会社 加工食品ユニット 市販用冷凍食品部事業企画課 兼務 事業管理部 管理一課 課長役 稲垣 達人氏
マルハニチロ株式会社 加工食品ユニット 市販用冷凍食品部事業企画課 兼務 事業管理部 管理一課 課長役
稲垣 達人氏

コアテクノロジー

●食品業界、需要予測、在庫の適正化などに関する知見

システム概要

●食品業界特化型SCM計画系クラウドサービス:PPPlan(ピーピープラン)

関連SDGs

SDGs 8

技術の向上、イノベーションを通じて生産性を上げる

SDGs 12

食品企業としてフードロスの削減に取り組む

PPPlanの導入イメージ

・NS(ロゴ)、NSSOL、NS Solutions、PPPlanは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
・その他本文及び図表内に記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。

マルハニチロ株式会社様

本社: 東京都江東区豊洲3-2-20
設立: 1943年3月31日
資本金: 200億円
売上高(連結): 1兆205億円(2023年3月期)
従業員数(連結): 1万2843名(2023年3月現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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