SOAを適用した新基盤で承認・稟議業務を最適化

ヤフー株式会社様

プロジェクト概要

背景

・社内各部門の業務システムを全体最適化する必要性
・SOAを適用して、共通プラットフォームの構築を目指す

ソリューション

・実績のあるBPEL ProcessManagerと独自SOA構築手法を採用
・SOAに基づいたシステムの開発実績

成果

・稟議完了までの時間を半減するとともに内部統制の強化を実現
・プログラミングなしで新しい業務を追加可能に

  • 乱立する社内システムを整理して全体最適化を目指す

    2006年、ヤフーは全体最適化の視点から業務改革に乗り出す。その最初の課題が、承認・稟議システムの刷新だった。ヤフーではガバナンス強化のため、細かく決済権限を規定しており、1万円以上は部門長の稟議決済が必要になる。部門長は月間数百件もの稟議決済を行うが、当時のシステムは自動化が進んでいなかった。また、承認業務では社内システムが乱立し、個別最適化されていた。内部統制整備のため、監査証跡を厳格に残す仕組みも求められていたという。
    ヤフーは「SOA」の考え方で新システムを開発する方針を決定。全社共通の承認・稟議プラットフォームを用意し、社内の各業務システムがその機能をサービスとして呼び出す構成にすれば、各業務システムでの作り込みが不要になる。

  • パッケージと独自SOA構築手法を組み合わせる

    ヤフーは、SOAに基づく開発実績のあった新日鉄ソリューションズをパートナーに選んだ。新日鉄ソリューションズの出した提案は、Oracle BPEL ProcessManagerといった検証済みの製品と、独自のSOA構築工法「NSFLEASY(エヌエスフリージー)」を組み合わせたものである。これを非常に実践的であり、かつ今後の技術動向への対応力も高いとヤフーは判断した。開発は2007年5月に始まった。
     承認・稟議プラットフォームは2008年3月に一部利用者に向けて運用を開始し、10月には全社へ全機能の提供が行われた。ヤフーの承認業務と稟議業務を一手に引き受けるこのプラットフォームでは、共通ユーザーインタフェースによる使いやすさの向上とともに、監査証跡取得による内部統制強化が実現している。

  • 稟議決裁までの日数が半減した

    現在、稟議については3600人の社員全員が、承認については関連会社を含めた4000人弱が利用中だ。承認・稟議で合わせて約300フォームを設定・活用している。
    「当初目的としていた承認・稟議管理業務の効率化は、十分に達成できました。導入後は、稟議完了までの日数が半減しました」(管理本部 経理部 管理会計担当者)。
     システム間連携によって、既存システムから入力データを自動的に取り出し、入力の手間を省くようになっており、利便性も高まった。さらに、同プラットフォームでは「作らない開発」が実現している。新しい業務にこのシステムを適用する際は、パラメータを設定するだけで、2時間もあれば作業が終わり、プログラミングは必要ない。ヤフーでは2009年4月に大規模な組織改編を行ったが、これへの対応も期待以上だったという。

コアテクノロジー

SOA、SOAP、NSFLEASY(エヌエスフリージー)、ワークフロー、Oracle BPEL Process Manager

システム概要

●サーバー:
Web・APサーバー(Linux)、DBサーバー(Linux)
●ミドルウエア:
Oracle Database 10g、Oracle Application Server 10g、Oracle BPEL Process Manager

ヤフー株式会社様

本社:東京都港区赤坂9-7-1
設立:1996年
資本金:74億円(2008年3月31日現在)
売上高:単独2245億円/連結2657億円(2009年3月期)
従業員数:単独3622名/連結4647名(2009年3月31日現在)
グループ会社:連結子会社13社、持分法適用関連会社18社ほか

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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