グローバル展開の加速に向けて生産・物流・販売の一品別見える化を強化

株式会社資生堂様

プロジェクト概要

背景

“アジアを代表するグローバルプレイヤー”という経営ビジョンの実現に向けて、成長戦略を支える情報化基盤を確立する。その一環として、グローバルな生産・物流・販売情報の「一品別見える化」を強化する。

ソリューション

海外拠点の情報を収集・分析するシステム「GINGA」を国内マーケティングシステム基盤上に再構築。海外情報の精度を高めるとともに、国内マーケティングシステムと同じBIツールで同等の自由分析を可能にする。

成果

22カ国35拠点にわたるグローバルな生産・物流・販売情報を本社主導で一元的に取得・分析できる仕組みが完成した。システムの操作性や性能も大幅に向上したため、システム利用者の業務生産性が高まった。

  • 経営品質向上へ、生産・物流・販売情報の収集・分析システムを強化

     "日本をオリジンとし、アジアを代表するグローバルプレイヤー"という経営ビジョンの実現を長期経営計画として掲げる資生堂。成長戦略を支える情報化基盤の確立に向け、SAP ERPを基幹業務システムとしてグローバル展開するとともに、本社からグローバルな生産・物流・販売情報の一品別情報を収集・分析する「GINGA」の強化を進めている。
    同社が「GINGA」の再構築を検討したのは2010年8月ごろである。同システムは2002年に構築したものだが、収集した情報の定義が海外現地法人ごとに異なる、収集した情報の分析内容が定型的なものに限られる、などの課題があった。新しく構築するシステムでは生産・物流・販売情報の定義を海外の全現地法人で標準化するとともに、情報の収集方法を改善し、情報の精度や分析の自由度を高めることを目指した。

  • NSSOLが構築した国内事業向け分析システムの基盤を活用

    要件を基に、複数のソリューションを比較した結果、資生堂は国内マーケティングシステム基盤上に新システムを再構築する方法を採用。同システムを構築した新日鉄ソリューションズ(NSSOL)をプロジェクトのパートナーに選択する。
    新システム構築プロジェクトは2010年10月から始まった。まず、世界22カ国35拠点を対象に、現地で稼働する基幹業務システムの種類やシステムが保持するデータの内容などを詳細に調査。収集する情報の定義標準化および情報収集方法の変更を 進めた。NSSOLは各拠点の担当者と、英語のメールや電話会議などによるコミュニケーションを行って、効率的にプロジェクトを進めた。SAP ERPのグローバル展開は進行中だったため、多様なシステムからの情報収集が必要になったが、丹念に対応した。

  • 22カ国の拠点の情報を本社主導で取得、一品別の分析を実現

    新「GINGA」は、2012年1月から稼働を開始した。同システムでは、グローバルな生産・物流・販売情報を海外現地法人の基幹業務システムから本社主導で取得しており、各国の商流および物流が整理され、取得する情報の意味を明確化するとともに、一品別/日別/得意先別の情報に対する自由分析が可能になった。また、システムの操作性が高まり、システムの性能が大幅に向上したため、分析業務の生産性が向上している。
    今後は、他システムとの整合性強化や、計画情報や予測値を登録・管理する機能を追加し、サプライチェーン全体のマネジメントまでを支援できるようにシステムの付加価値を高めていく予定である。

コアテクノロジー

BI 、自由分析、システム連携

システム概要

●サーバー:DBサーバー(IBM Power 570)×6、Web APサーバー(Linux)×9 ほか
●ミドルウエア:Oracle BIEE、Oracle Database 10g RAC
●クライアント:200台(海外)

株式会社資生堂様

本社:東京都中央区銀座7-5-5
創業:1872年
資本金:645億円(2012年3月31日現在)
売上高:単独2248億円/連結6823億円(2012年3月期)
従業員数:単独3699名/連結3万1310名(2011年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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